活動報告

金融アセスだより(第99回)

保証協会から保証を外す試み

これは昨年12月にあった、私の実体験です。当社と、当社の前社長が持っている別会社とが、同一の1社と見なされていた信用保証枠を外すまでの経緯をお話しします。

保証枠が同一で見られていると困ることは、(1)本来1社で使える無担保保証の2億8000万と有担保の枠を、2社で分け合わなければならないこと、(2)どちらか片方の会社が潰れたら、共倒れになってしまうことです。事業継承でこの保証を外せなくて困っている2代目社長も多いと思います。

何故、外せないのか。(1)2代目に信用がないから、(2)一度入れた保証人は抜いてくれない、(3)会社の業績の問題など、理由はいろいろ考えられますが、話を聞いた金融機関ではらちが明かず、その答えを聞くこともできません。では保証協会に直接聞きに行くと言えば、止めに入られるという状況でした。

頼れるパートナー

そこで、あるメガバンクの新しい担当者にお願いしたところ、銀行本部を通じて保証協会に話をしてくれて、「必要書類を出せば保証を外す」との回答をもらいました。そして、(1)会社の登記簿謄本、(2)決算書、(3)決算書に上がっている項目(B/S仮払金、預り金、未収入金、P/L雑収入)理由の説明、(4)前代表との取引の関係性の説明、これら全てを提出することによって、ようやく保証を外すことができたのです。

今回のやり取りを通じ、どの金融機関と取引するのか、どの担当者と付き合うのかが、いかに大事かを痛感しました。それ以来、困ったことや気になることがあれば、何でも相談するようにしています。経営課題に対して金融機関側からの提案で、よろず支援拠点の利用やビジネスマッチングで会社の紹介もしてくれるようになりました。

会社の夢も語りながら、リレーションシップバンキングを構築し、県や国の制度も利用しながら、会社発展を図っています。

(株)ハンズコーポレーション  青野 徹