活動報告

東尾張支部 例会(1月23日)

時流を読む経営 ~来るべき大増税時代を生き抜く

菊地 進氏  立教大学経済学部教授

自分で考えることの大切さを説く菊地教授

自分で考えることの大切さを説く菊地教授

自分の頭で考え 自分の目で見る

立教大学教授の菊地進氏を報告者にお迎えし、東尾張支部例会が開催されました。

例会テーマの「時流を読み経営に生かす」とは、世界と日本経済の現実を踏まえ、向かう方向を見据えながら黒字企業を目指すこと。その枕詞に、自分の頭で考え、自分の目で確かめていくことの重要性が強調されました。

中小企業景況の現状については、同友会景況調査(DOR)業況判断DIをもとに、消費税反動減の後、V字回復には至っていないこと。また、その背景ともなる経営上の問題点では、需要の停滞や価格競争の激化、仕入単価の上昇や人手不足が指摘されています。

格差は拡大

2015年の経営環境については、生産年齢人口が減り高齢化率が上昇していく中、自らの地域の人口動向を実数で捉え、戦後のような成長は見込めないと自覚することの重要性が示されました。さらに、同友会の日本経済ビジョンには、人口が減っても「生活の質」を維持・向上させる社会をつくっていく発想への切り替えが提起されていることも紹介されました。

今後、アベノミクスを通じ大企業と中小企業、都市と地方の格差が拡大する可能性が高く、地域における企業家・金融機関・行政・大学・民間が一体となった地域振興の協議と取り組みが不可欠であること。その上で菊地氏は、同友会の果たす役割として、会活動を経営に生かし、同友会らしい企業づくりを進めていく必要性を訴え、報告を締めくくりました。