活動報告

金融アセスだより(第101回)

借入条件を比べる

あなたの会社は金融機関から借入を行っていますか。取引先金融機関は、いくつありますか。

私は、父の代からの付き合いである金融機関1行と取引してきました。金融に対してそれほど知識が無かったので、その1行のみとの取引で問題ないと思っていました。金融機関による違いといっても、大差ないだろうと思っていたこともあります。

しかし実際のところ、1行との付き合いだけでは、提示されている金利やその他の条件が良いのか悪いのか判断できません。

先日、地方銀行・信用金庫の計3行に、借入の相談をしました。その際、条件を見てから借入先を決めると、予め伝えていました。結果、金利は1.5倍の開きがあり、保証人が必要か否かの点でも違いがありました。

3行の中で、一番条件が悪かったのは父の代から取引してきた金融機関で、保証人はどうしても外せないと言います。他の1行は最初から保証人は不要と言い、別の1行は初めは必要と言いながら、話をするうち不要に変わりました。

複数行取引の利点

当然、一番条件の良い金融機関から借入をすることになりましたが、この金融機関の本社は愛知県外で、弊社との付き合いも一番短い先です。それゆえ、良い条件を出してくれたとも言えます。既存の金融機関に借入条件の改善を求めてもなかなか進まないと言われますが、他社と競争させることが有効なのは金融でも同じスキームです。

後日談ですが、別の目的で借入を検討した際、お断りした2行だけに再度話を伺ってみました。1行取引は楽ですが、複数行取引でなければ自社にとって有利か不利か、条件を比較することができません。また、入ってくる情報も目減りしてしまいます。

いくら会社の規模が小さくても、少々面倒であっても、賢く経営をするためには複数行との付き合いが必要だと感じました。

安藤不動産  安藤 寿