事業承継の壁になる相続法制
第17回あいち経営フォーラムで金融委員会が担当した第3分科会は、「金融の課題を避けては、事業承継は成り立たない」をテーマとして、パネリストに東海ECの石井元博氏と三恵社の木全哲也氏、コーディネーターにオネストンの鈴木良博氏を迎えて行われました。
冒頭、座長である弁護士の岩崎光記氏より、中小企業の事業承継は相続法制もからみ、一筋縄にはいかない問題をはらんでいると提起がありました。これをふまえ、事業承継の経験者である鈴木氏、木全氏、石井氏から、当時思い悩んだ金融の課題について報告がされ、自社株の生前贈与や遺言状作成の事例が紹介されました。
100年企業を目指して
金融機関は、決算書などから把握できる定量面だけでなく、現代表者と後継者との間で意思疎通が図られているかなどの定性面についても、事業の継続性を裏付ける要点として重視しているといいます。
企業は人と違い、半永久的に存在することが可能です。100年、1000年続いている企業も、事業承継を繰り返してきた歴史の中で、さまざまな金融課題を乗り越えてきたはずです。他の課題と同様、きちんと向き合いさえすれば、解決できない問題ではありません。
同友会の3つの目的の1つである経営環境の改善、中小企業の発展を目指すために、大変有意義な分科会であったと思います。
弁護士法人 春日井法律事務所 吉田 光利