活動報告

金融アセスだより(第125回)

ベンチマークの活用

昨年、「会社が病気になる前に」をキャッチフレーズに、経済産業省から「ローカルベンチマーク(通称、ロカベン)」が発表されました。

これは、企業の経営状態を把握するツールとして、経営者と金融機関・支援機関等が同じ目線で対話するための基本的な枠組みで、事業性評価の入り口として活用されることが期待されるものです。

またこれとは別に、金融庁策定の「金融仲介機能のベンチマーク」があります。金融機関における金融仲介機能の発揮状況を客観的に評価できる多様な指標で、それらによって、各金融機関が得意とすること、力を入れていることがあぶり出されてきます。

ロカベンで判明した企業の長所・短所に対し、金融仲介機能のベンチマークで示された各金融機関の得意とすることを活かして、企業を支援していこうというものです。

金融機関担当者を「社外取締役」として

ロカベンには、決算書の数字を入れる財務のシートと、自社について文章で書く非財務のシートがあります。後者は、自社を客観的に見て書かなければ意味がないのですが、これがなかなか難しいものです。

そこで、客観的に自社を見てくれる「社外取締役」のような存在として期待できるのが、金融機関の担当者です。彼らは普段から多くの取引先を見ており、第三者の視点で自社を評価してくれるため、その手を借りればより正確な診断ができるといえます。

また、定期的にロカベンを行えば、経営状態を時系列で把握することもできます。企業の健康診断と思って、決算ごとに行ってみてはいかがでしょうか。

安藤不動産  安藤 寿