活動報告

第2回小規模企業学習会(5月22日)

小さな企業の挑戦

伊藤 信夫氏  (有)伊藤技研

事業規模別の学習会を開催

多様な学びの場の確立

愛知同友会には昨年度に引き続き、「多様な学びの場を確立する」を掲げ、企業規模や社内役職、年齢・会歴等に応じた「学びの場」を整えていく活動方針があります。

企業の悩みは業種や規模によって違い、経営課題の解決には階層別の学習会の必要性が協議されてきました。とりわけ会員の3分の1が、社員数1~5名の小規模企業で、組織的な経営を学ぶニーズがありました。

そのため、小規模の企業を対象とした「生業・家業から企業へ」をテーマとする学習会が開催され、個人経営から社員数が数名の会員が集まりました。

自らの言葉で語る

当日は「小さな企業が生き残る・発展するには」をテーマに、伊藤技研の伊藤信夫氏が報告しました。伊藤氏は、父が創業した会社で新たに窯業用瓦金型の事業を起こし、承継します。そして、人手不足の中、女性でも作業ができるよう生産体制の改善を図り、パートを含め他人雇用を行ったといいます。

住宅着工件数の減少、屋根材の変化などで瓦の出荷量は年々縮小する中、伊藤氏は高精度な精密加工でさまざまな用途の瓦金型を手掛け、市場を開拓し続けます。後継者も入社し、2015年には新工場を建設しました。テーマ「こだわりの瓦金型づくりで日本の屋根に貢献」を掲げ、永続する企業づくりに奮闘する事例を紹介しました。

自社の位置づけを分析

グループ発表では、「なぜ売上が減っても採用できるのか」との質問が出され、伊藤氏は「売上が上げられる見通しを立て、他社と同じことをせず、逆転の発想で違いをつくる」ことを提案しました。特に経営指針書があったからこそスムーズに実践ができたと述懐しました。

最後に、常識で固まると身動きが取れなくなること。事業規模は受注量につながり、取引先が自社をどう位置づけているか分析する必要性が語られました。「自社の根っこをしっかり持ち、地道にやる」メッセージが伝わった学習会となりました。