活動報告

金融委員会(6月13日)

企業の経営状態を把握
~ローカルベンチマーク学習会

安藤 寿氏  安藤不動産

ローカルベンチマークのイメージ

ローカルベンチマークのイメージ(経済産業省ホームページより)

経済産業省ホームページより(http://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/sangyokinyu/locaben/summary.pdf

関係を強化

昨今、銀行との関係強化など、金融行政が大きく転換されました。担保や過去の数字による融資ではなく、企業の将来性を含めた「事業性評価」により企業の成長と地域全体の活性化を支援し得る金融仲介機能の強化です。

そこで6月は、その入口となる学習会として、安藤不動産の安藤寿氏が取り組んだ事例と取引信用金庫の担当者の報告や演習交流を行いました。

ローカルベンチマークは、6つの財務指標と4つの定性情報およびバリューチェーンシートを明記します。安藤氏は、財務情報の記載はできても定性情報やバリューチェーンシートはなかなか書けませんでした。特に強みがわからず、弱みは絞れなかったといいます。

空欄ばかりでしたが取引信用金庫の担当者に相談すると、数日後に加筆したものを持ってきてくれました。日頃から定期的に訪問を受け、話をしていた内容をまとめてくれたのです。金融マンは地域の数十社を担当しており、他社との比較など客観的に自社を見てくれたといいます。

続いて登壇した信金の担当者は、「事業性評価ローン(無担保無保証)」に力を入れていること、業務効率化と逆行するが時間を割いて地道なヒアリングを重ねる努力をしていること、信金マンとしての信条などを語りました。

対話を深める入口

助言者である中京大学の由里宗之教授は、安藤氏と信金担当者のやりとりはリレーショナルを築いている好事例だと解説しました。またローカルベンチマークについて、財務指標もこれまでと違い安全性ではなく成長性を重視、データ母数も良く優れたツールだと紹介しました。

まだ金融機関や専門家に正しい理解が広がっておらず、誤った指導が行われる場合があるが、非財務情報に経営者の夢や将来展望など思う存分に記載した上で、金融機関や行政などと対話を深める入口としてチャレンジしてほしいとエールを頂きました。