活動報告

金融アセスだより(第135回)

金融の基礎を学ぶ

私は千種区で運送業と倉庫業を営む会社の後継者として、5年前に同友会に入会しました。今期は支部の金融担当を務めており、4月から金融委員会に参加しています。

以前、金融寺子屋に参加した際、飛び交う専門用語を理解できなかったため、参加当初は不安でしたが、「金融とは」「金融機関との賢い付き合い方とは」という基本的なことから学ぶことができ、わからないことは何でも質問できる環境から徐々に苦手意識がなくなってきています。

私は同友会に入会して指針書を作成していく中で、現社長の想いや会社をどうしていきたいかを聞くことによって、トップの意思を承継していくことの重要性に気が付きました。指針書は、会社の未来だけではなく事業承継にとっても欠かせないモノです。

ロカベンの活用

金融委員会では現在、経営者や金融機関・支援機関等が企業の状態を把握し、双方が同じ目線で対話を行うためのローカルベンチマーク(通称・ロカベン)について学び、経営状態の把握に活かしています。

財務情報としての6つの指標は、決算書を見ながら入力できます。非財務の4つの視点は、指針書をもとに銀行の担当者と相談しながら埋めることで、現在では社長ではなく私が担当者と対等な関係で話すことができています。

今後は、融資を受けやすくするためにも自らが月次決算を持って金融機関に出向き、支店長に直接説明したいと思っています。また、金融機関が事業性評価をできる環境にし、会社の良い部分が正確に伝わるよう努めていきます。

そしてロカベンを通じてトップの意思を伝えることが、事業承継後にも金融機関と良いパートナーとして付き合うことに繋がると感じています。

巴運輸(株)  郷司 廣之進

☆企業の健康診断ツール「ローカルベンチマーク」

◆「財務情報」6つの指標
  1. 売上高増加率(売上持続性)
  2. 営業利益率(収益性)
  3. 労働生産性(生産性)
  4. EBITDA 有利子負債倍率(健全性)
  5. 営業運転資本回転期間(効率性)
  6. 自己資本比率(安全性)