活動報告

名古屋第5支部 2月合同例会(2月22日)

ロカベンで未来を切り開け ~現状を把握して次の一手を

出原 直朗氏  日研工業(株)

自社の事業性を積極的に発信

金融機関はパートナー

報告者の日研工業代表取締役・出原直朗氏は、かつては「技術を磨き良質な仕事を続ければ、将来は安定する」と信じて業務に励んでいましたが、他方で伸び悩む経営に頭を抱えていたそうです。

ターニングポイントは同友会の金融委員会に参加したことでした。金融業界の流れや金融機関の企業に対する見方等を学ぶうちに、金融機関は困ったときの相談先ではなく、重要なパートナーなのだと気づきました。同時に、金融機関と対等に話をするためには、財政面も含め自社の現状を分析して把握する必要があると知ったそうです。

現状維持は衰退

そこで学んだのが「ローカルベンチマーク(通称、ロカベン)」です。これは、一言でいうと企業の健康診断を行うツールであり、経営状態を多角的に分析して、経営者や金融機関、支援機関等で共有することにより、経営者と金融機関が同じ目線で対話するための枠組みです。

ロカベンを通じて「待ち」の経営から積極的な発信へと舵を切った出原氏は、自身の描く会社の将来像を金融機関にアピールし、第2次創業を経て、全くの新ジャンルである保育所開設にも至りました。

「現状維持は衰退の一途」と出原氏は断言します。これからは自社にどんな可能性や付加価値があるかという事業性を経営者自身が描き、それを行政や金融機関に評価してもらい、将来を見据えて次の一手を打つ必要がある、と力強く語る姿が印象的でした。

奏法律事務所  吉野 令子