活動報告

名古屋第5支部合同例会(2月26日)

ビジョンを達成せよ ~10年前・現在・10年後

吉岡 昌成氏  (株)ヨシックス

参加者196名が外部環境と自社のあり方を考えた

科学性の重要さ

名古屋第5支部例会では、ヨシックスの吉岡昌成氏に報告いただきました。

経営理念を考える視点として、科学性・社会性・人間性の順番が大事だと吉岡氏は強調しました。科学性は、現在の自社を取り巻く環境から社会ニーズを捉え、なぜ自社が必要かをできる限り客観的に考えること。社会性は、社会に及ぼす影響を考えて方針を決定すること。人間性は、労使見解の考え方の部分で、社員を単に利益追求のために雇うのではいけないということです。

吉岡氏は1980年に創業し、建築業、毛皮販売、建築のフランチャイズ、そして現在の外食産業へと舵を取りました。

毛皮販売や建築のフランチャイズでは、初め好調だった売り上げが突如激減しました。その理由を考えると、「今いるお客さんは明日もいる」と漫然と思っていた自分に気づきます。季節のニーズやバブルという情勢を理解していなかったこと、フランチャイズは地域を売っていく仕事であることを学びました。社会・お客様のニーズがどう変わるか(科学性)を意識し、1つのお客様の売上に依存しすぎないようにするべきだと考えるようになりました。

発展阻害要因は何か

科学性から戦略を練ったという吉岡氏。政策委員会で「中小企業憲章草案」の考え方を掘り下げる過程で、自社の発展阻害要因は、地域の衰退にあると考えました。そうして生み出した戦略には、求人倍率の低い地域への出店や、災害を考慮した多地域展開といった「地域リスクヘッジ」、小型店舗、地域仕入れ、地域雇用によって老舗の雰囲気を作り出す「田舎戦略」があり、それらが会社を発展させたといいます。

最後に、10年ビジョン達成のためには、9年後、8年後と段階的、具体的に考えて計画する必要があると述べ、「同友会では真似しようと言うが、すぐに真似してはいけない。真剣に掘り下げて噛み砕き、『独自戦略』を作ってほしい」と話しました。

日本の今後のニーズは、外国人、高齢者、AI、カード、IoTで、自社では今年3C(チェンジ、チャンス、チャレンジ)に取り組むと報告を締めくくりました。

(有)花井養鶏場  花井 寿仁