景況調査

第96号-2017年11月
先行き不安も、足下「好調」広がる

<会員の声>

DI値推移一覧表(PDF:590KB)


【概況】

「良い」と回答した企業の割合から「悪い」と回答した企業の割合を差し引いた「業況判断」の「今月の状況DI」は、前回の25から34へ9ポイントの大幅な改善となりました。DI値34は、消費増税直前の「駆け込み需要」が見られた2014年2月調査の35に次ぐ高い水準です。「前年同期比DI」も3ポイント上昇して11となりました。ただし、2018年2月時点を予測する「次期見通しDI」は31と、前回調査の37から6ポイント低下しました。とくに製造業は37から29へと8ポイントも低下しています。総じていえば、「先行きへの不安を残しながらも、足下の景気の好調さを示した」というのが今回の調査結果だといえます。

今回調査に特徴的なのは「改善」がすべての業種に広がった点です。「今月の状況DI」は建設業で前回の35から今回は43へ改善、製造業も25から36へと改善、流通業は17から30へと大幅な改善となりました。サービス業も27から30へと小幅ながら改善を示しました。

業況分析会議の席上でも業況の好調さを指摘する声が多く聞かれました。ただ、今回調査に寄せられた「文書回答」からも確認できるように、状況は決して一様ではありません。

建設業では好調な業況を反映して人手不足を訴える声が多いものの、住宅建設については「貸付向不動産融資が金融庁の通達によって抑制され、販売仕入れともに厳しい状況になってきた」とする不動産業界からの指摘もあり、先行きを慎重に見ようとする姿勢も見られました。

製造業については、半導体製造装置を中心とした工作機械への高い需要が引き金となって関連業界に好調さが広がっているようです。こうした業界からは、人手不足に加えて材料不足が深刻化してきているという声が聞かれました。他方、「世間で言われている好況感は全くなく、自社及び周辺企業では逆にどんどん悪化している」という文書回答もあり、「製造業」の中でも取引先や取り扱う製品によって業況が大きく異なっているのが実情のようです。

また、生産が高い伸びを示している半導体製造装置がやがて工場の設備として稼働し始めることで、半導体の深刻な過剰生産がやってくるのではないかと懸念する声も聞かれました。自動車関連では、「EVシフトの影響がどの程度なのか、いつ頃来るのかが不明確で不安」といった文書回答が散見されるなど、EV化がもたらす影響を懸念する声が徐々に強まってきているようです。

中小企業経営者はこうした景気状況を踏まえ、今後とも忙しさを理由に情報収集を怠ることのないよう心掛けたいものです。

[調査要項]

調査日 2017年11月20日~11月30日
対象企業 愛知中小企業家同友会
調査方法 会員専用サイト「あいどる」
回答企業 会員企業より1400社の回答を得た。業種内訳は以下
(建設業244社、製造業309社、流通業385社、サービス業462社)
平均従業員 22.1名(中央値7名)

なお、本報告は愛知中小企業家同友会・経営環境調査委員会(委員長、太田厚・(株)太田電工社社長)が実施した調査結果をもとに、景況分析会議での検討を経てなされたものです。

【業況判断】 改善傾向が明確に示される。次期見通しは建設以外で悪化

「今月の状況」DIは前回の25から34と9ポイント改善した。業種別でみると、建設業が35から43と8ポイント、サービス業が27から30と2ポイント改善した。この傾向は全業種に見られ、製造業では25から36と11ポイント、流通業でも17から30と13ポイントと二ケタも業況感が良いと判断された。前年同月比は前回の8から11とやや3ポイント改善した。業種別でみると、製造業が9から12、流通業も4から7と共に3ポイント改善した。なかでも建設業は6から17と11ポイントの二ケタの改善傾向を示した一方で、サービス業では12から10と2ポイントとやや悪化した。3ヶ月後の次期見通しは前回の37から31と6ポイントも悪化した。建設業が41から43とほぼ横ばいで推移した以外は、製造業が37から29と8ポイント悪化し、流通業も34から28と6ポイント悪化、サービス業でも37から29と8ポイント悪化傾向を示した。

業況推移DIグラフ(クリックで拡大表示します)

【売上高】・【経常利益】
横ばいで推移
売上高、経常利益ともに3カ月見通し悪化と予測

売上高DI(前年同月比)は前回の10から11とほぼ横ばいで変化がなかった。業種別でみると、建設業が8から13と5ポイント改善、流通業が7から10と3ポイント改善したのに対し、製造業は7から8とほぼ横ばいだった。サービス業では14から12とやや悪化した。次期見通しは前回の23から14と9ポイント悪化した。業種別でみると、製造業が21から10と11ポイント悪化したのを始め、流通業が24から15、サービス業では22から13と、それぞれ9ポイント悪化した。建設業は22から21とやや悪化した。

売上高推移DIグラフ(クリックで拡大表示します)

経常利益DI(今月の状況)は前回調査の23から28と5ポイント改善した。業種別でみると、製造業が19から31と12ポイント二ケタの改善を示したのを始め、建設業が25から33と8ポイント、流通業は18から24と6ポイント改善した。一方、サービス業では28から26とやや悪化した。前年同月比は前回の4から8と4ポイント改善傾向を示した。業種別では、建設業が1から13と12ポイント改善し、流通業も5から10と5ポイント改善した。サービス業は7から8とほぼ横ばいで推移した。製造業では3から1とやや悪化した。次期見通しは前回の30から24と6ポイント悪化した。業種別でみると、製造業が31から22と9ポイント悪化をみたほか、流通業が29から23と見通しを悪化させ、サービス業は30から23と7ポイント悪化傾向を示した。建設業は28から31と3ポイント改善した。

経常利益推移DIグラフ(クリックで拡大表示します)

【在庫感】 製造業、流通業で相反する動き

今月の状況DIは、前回調査の7から1と「過剰」超過幅が縮小した。業種別でみると、製造業(4→6)は「過剰」超過幅が拡大し、流通業(10→△4)では「過剰」超過幅が縮小し「不足」割合が超過した。前年同月比は前回の3から変化が見られず横ばいとなった。業種別でみると、製造業(3→5)は「過剰」超過幅が拡大し、流通業(3→0)は「過剰」超過幅が縮小した。次期見通しは4から0と「過剰」超過幅が縮小した。業種別では、製造業(3→3)は変化が見られず、流通業(4→△3)は「過剰」超過幅が縮小し「不足」割合が超過した。

【取引条件】 「悪化」超過幅が拡大

前年同月比DIは3から2とやや悪化傾向を示した。業種別でみると、サービス業(5→2)が3ポイント「悪化」超過幅拡大となったのを始め、建設業(4→3)・製造業(3→2)はやや悪化した。流通業(1→1)は変化がなかった。次期見通しは、前回の3から4とほぼ横ばいで推移した。業種別でみると建設業(7→7)・製造業(1→1)・サービス業(4→4)では見通しに変化はみられなかった。流通業(2→3)はほぼ横ばいだった。

【資金繰り】 「窮屈」超過幅が僅かに縮小

今月の状況DIは、前回の△20から△19と「窮屈」見通しの超過幅に大きな変化がなかった。業種別でみると、建設業(△27→△22)・流通業(△21→△18)は「窮屈」超過幅が縮小する結果となった。サービス業(△18→△20)では「窮屈」超過幅が拡大した。製造業(△15→△16)は大きな変化がなかった。次期見通しは前回の△17からやや「窮屈」超過幅が拡大し△18となった。業種別では、建設業(△23→△20)・流通業(△16→△14)は「窮屈」超過幅が縮小する結果となった。サービス業(△14→△19)では「窮屈」超過幅が拡大した。製造業(△17→△17)は横ばいで推移した。

【設備過不足】・【施設稼働率】
設備過不足、「不足」超過幅は拡大
施設稼働率、次期見通しは「低下」傾向

設備過不足DI(今月の状況)は前回調査の△16から△18と「不足」超過幅がやや拡大した。これは3期連続の傾向である。業種別でみると、製造業(△20→△24)は4ポイント、建設業(△21→△24)・サービス業(△15→△18)は3ポイント「不足」超過幅が拡大した。流通業(△10→△11)は大きな変化が見られなかった。次期見通しは前回△16から△20と4ポイント「不足」超過幅が拡大した。業種別でみると、建設業(△21→△27)・製造業(△18→△27)・サービス業(△15→△18)が「不足」見通しの超過幅を拡大させた。流通業(△12→△12)は横ばいで推移した。

施設稼働率DI(前年同月比)は前回調査の3から6と3ポイントの「上昇」超過幅拡大となった。業種別でみると、製造業(6→7)は変化がなかった。流通業(△1→6)は「上昇」超過幅拡大となった。次期見通しは前回の8から4と4ポイント「上昇」超過幅が縮小した。業種別にみると、製造業(11→3)は「上昇」超過幅を縮小させ、流通業(6→5)は大きな変化がなかった。

【雇用】 人手不足感、調査始まって以来の「不足」超過幅の拡大

今月の状況DIは前回の△44から△47と3ポイント「不足」超過幅が拡大した。この数値は、1994年の調査始まって以来、2番目に深刻な人手不足感を示している。業種別でみると、建設業(△59→△66)は調査始まって以来の「不足」超過幅の拡大で70%が人手不足と回答している。その他、製造業(△43→△46)・サービス業(△39→△42)はいずれも3ポイント「不足」超過幅が拡大した。流通業(△42→△42)は横ばいで推移するも、深刻なレベルである。次期見通しは前回の△39から△44と、こちらも1994年の調査始まって以来最悪の人手不足感を示した。業種別にみると、建設業(△55→△62)は7ポイント、サービス業(△34→△40)は6ポイントと、さらに「不足」超過幅が拡大した。製造業(△40→△42)・流通業(△35→△38)も「不足」見通しの超過幅が拡大した。

【価格変動】
製造業、仕入価格「上昇」
販売価格、ほぼ横ばい傾向

仕入価格変動DI(今月の状況)は前回の22から31と9ポイント「上昇」超過幅が拡大した。業種別でみると、建設業(22→34)・製造業(28→40)・流通業(23→35)はすべて12ポイントの二ケタあがり、「上昇」超過幅が拡大した。サービス業(17→17)は横ばいで推移した。前年同月比では前回の24から29と5ポイント「上昇」超過幅が拡大した。これで5期連続の拡大傾向である。業種別でみると、流通業(22→33)は11ポイントの二ケタ「上昇」傾向を示した。その他、建設業(26→29)は穏やかに、製造業は(35→41)は6ポイント仕入価格が上昇した。サービス業(18→19)は大きな変化がなかった。次期見通しは前回の18から24と6ポイント「上昇」超過幅が拡大した。業種別でみると、建設業(18→27)・製造業(24→29)・流通業(18→27)と「上昇」超過幅が拡大した。サービス業(13→16)は大きな変化がなかった。

販売価格変動DI(今月の状況)は前回の8からほぼ横ばいで9となった。業種別でみると、建設業(10→9)・サービス業(8→6)もほぼ横ばいで「低下」超過幅が拡大した。流通業(8→16)は8ポイント「低下」超過幅が縮小した。製造業(5→6)は大きな変化ではないが「低下」超過幅が縮小した。

前年同月比は前回8から大きな変化はなく10だった。しかし上昇傾向は5期連続である。業種別でみると、建設業(6→9)・製造業(6→8)はほぼ横ばいながら「低下」超過幅が縮小した。流通業(8→13)は5ポイント「低下」超過幅が縮小した。サービス業(11→9)では大きな変化が見られないものの、「低下」超過幅が縮小傾向を示した。次期見通しは前回の6から8と大きな変化がなく「低下」超過幅が縮小した。業種別でみると、建設業(4→11)は7ポイント「低下」超過幅が縮小した。製造業(2→4)は大きな変化が見られなかった。流通業(9→9)・サービス業(8→8)では横ばいで推移した。

【借入金利】
短期金利、水面下ながら僅かに上昇
長期金利、ほぼ変化なし

短期借入金利DIは△5からほぼ横ばいで推移し△4だった。業種別でみると、建設業(△7→△3)が4ポイント「低下」超過幅が縮小した。製造業(△5→△3)・サービス業(△4→△2)ではほぼ横ばいながら短期金利が上昇した。流通業(△6→△6)は変化がなく横ばいで推移した。

長期借入金利DIは前回の△6から△5と僅かに「低下」超過幅が縮小した。業種別でみると、建設業(△8→△6)では穏やかながら「低下」超過幅が縮小した。サービス業(△2→△3)は大きな変化がなかった。製造業(△7→△7)・流通業(△7→△7)では変化がなかった。

【経営上の力点など】 経営上の問題点、「従業員の不足」・「人件費の増加」が上位に

全業種でみた経営上の問題点は、第1位は前回から変化なく「従業員の不足」(47%)であった。「人件費の増加」(30%)も前回同様第2位となり、「民間需要の停滞」・「熟練技術者の確保難」(19%)が第3位となった。業種別でみて特徴があったのは、建設業で「下請業者の確保難」(47%)が、サービス業で「新規参入者の増加」(30%)、「民間需要の停滞」・「人件費の増加」が流通業(24%)、「熟練技術者の確保難」が製造業(33%)と回答した。文書回答では「EV化への対応」「従業員の不調」「商品価値の低下」があった。

全業種における経営上の力点は、第1位「付加価値の増大」(56%)、第2位「新規受注(顧客)の確保」(48%)、第3位「人材確保」(38%)で前回から変化がなかった。


<会員の声(業種別)>

(1)建設業

●業況判断DIは、「今月の状況」(28→35→43)、「次期見通し」(39→41→43)と2期連続上昇、経常利益DI「今月の状況」も(20→25→33)と黒字企業の増加を示しました。一方、雇用動向DIでは△66と1994年調査開始以来「雇用不足」の最大値を更新しました。

過去のバブル期以上に異常な歪んだ現象が様々な局面で進行しており、危険なところへ突っ込んでいる不安や危機感を持ちながらも目前の仕事は進行せざるを得ない、というのが実情のようです。

高度成長期から成熟・人口減少社会への「構造改革」として「建設産業市場縮減政策」が進められてきた不況停滞期から一転、震災特需と異次元金融緩和政策により需給錯乱状態に陥っています。建設産業特有の階層構造問題や国家政策により、正常な労働意欲を減退した“技能・技術労働者の建設市場からの退出”が進行してきました。業界に将来性があれば若者や人は集まってきます。目先は多忙でも「将来が見えない」状態から、健全な業界の将来像を提示することが本来あるべき「業界改革」「働き方改革」にも繋がるでしょう。いたずらな縮減政策や新築乱増バブルの復活ではなく、成熟型ストック社会、改修・再生利用や文化・風土・資源活用型の未来社会への移行するためのインフラを担う基幹産業として位置づけた長期ビジョンと政策こそが求められます。

(事務局 加藤)

1.総合工事

  • 下請業者の確保がとても困難になってきている。
  • 人手不足が深刻。人を確保しないとやっていけない業界なので非常に困っている。人の確保は難しく費用をかけても解決しないため大変。
  • 景気は悪くないと思うが、長期の動向は不明。

2.基礎、土木

  • 鋼材費が上昇している。年末にかけて更に加速する予想。受注は鉄骨工事が多い感想。RC案件は見積もり件数が多い割に受注に至らず、難儀している。
  • 繁忙期の時期の変化を感じている。

3.内装、外構

  • 建築業界の深刻な人手不足。職人の二極化が進み、いい職人ほど疲弊しつつある。建築業界の好景気感は3年持たない可能性がある。
  • 建築業の労働日数などの改善をもっと国全体で行うべきだと思う。

4.設備、電気工事、管工事

  • 工場関係の設備投資需要は全国的に増加。土木、電気、配管工事の価格は昨年に引き続き上昇。
  • 忙しいのに利益が上がらない。
  • 建設業界にもやっと働き方改革にメス。見積もりに法定福利費の項目を設け、雇用環境の改善を業界全体で行う動きが始まってきた。しかし現実は人手不足が蔓延化し、時短できる環境は今後さらに難しく、その中で自社の方向性、立ち位置を明確にすることに大変苦労している。
  • 建設業で週休2日は夢のまた夢、週休1日、残業日常化の現実で仕事は増え価格に苦しみこれまでにない超人不足、技術者不足、外注不足で何ができるか。20代の若手から辞めていく。
  • 名駅前大型プロジェクト収束後も次の大型物件案件がまだ続く。マンション着工も都心を中心に活況。

5.不動産

  • 貸付向不動産融資が金融庁の通達によって、抑制された。よって、販売仕入れともに厳しい状態になって来ている。
  • 事業用地は工場を中心に需要はあるが規制に引っかかり思うようにならない顧客がそのまま残っている感。建築業者は倒産や、計画倒産を含む廃業が増えている。営業マン転社引き抜きの話しを本人と採用担当者双方から聞く。現在の低金利で借入できている顧客もあり、もし金利が上がったら?という話しが出てくるようになった。甘い期待をしている業者はあまり多くない。
  • 都心部以外の周辺地域は非常に悪い。古い物件は空きが出るといくら家賃を下げても入居はない。

6.建築設計

  • 不動産価格は頭打ち、住宅価格は9月をピークに全体的に下がり基調。ただ中部圏、名古屋都心だけが堅調。公共、分譲、非住宅系(工場、倉庫、情報、宿泊など)いずれも上昇。リニアによるストロー現象により近隣県から名古屋都心への居住移転需要がある模様。東京資本が名古屋へ多く参入し積極展開。
  • 落ち込んだ東京圏の投機資金が地方へ流れてくるが空室率は上昇。新築でも空室が目立ってきた。
  • 地域で二極化している。白壁や丸の内や錦二丁目はオフィス街から健全な高級居住地づくりへ開発。
(2)製造業

●製造業の業況判断DIは、今月の状況では2014年2月調査以来の高値(36)となり、次期見通しではやや減速傾向(37→29)が見られるものの、前年同月比(12)を含めても依然として高止まりしています。経常利益DIも、リーマンショック以前の2005年5月調査以来の高値(31)となり、さながらバブルの様相を呈しているとも読み取れます。雇用の不足感(△46)、設備の不足感(△24)はいずれも過去5年の調査の中ではもっとも悪くなっており、次期見通しではさらに悪化する(雇用△40→△42、設備△18→△27)と予想されています。

実際に、半導体の需要が伸びており、それに支えられる形で設備投資なども伸びていますが、需要の大部分は中国向けとも言われており、今後の中国の動向次第では、雇用・設備とも一気に過剰になる恐れも指摘されています。

(事務局 井上一)

1.金属加工・樹脂加工

  • 現状の景況感は堅調と言えるが、昨今の巷で騒がれる車の電動化に伴い、同業界は大きな転換期を迎えることが推測される。それに備えた設備や商品開発等が必要になる。
  • ここまでの仕事量になるとは嬉しい悲鳴だが、人手が足りず残業がどんどん増えていく。設備投資等で少しでも改善できればと対策を打っているのだが。
  • 忙しい忙しくないの格差が客先・仕入先で相変わらず偏っており、出す側の元の企業が出す先を絞っているのではないかと疑っている。
  • 最低賃金は順調に上昇しているが、中小製造業の工賃は上昇の兆しがなかなか見えない。客先に納得して価格交渉ができるような環境にするために、どんなことをしたら良いのか。
  • 大企業は良いだろうが中小、零細企業はとてもじゃないが景気がいいとは言えない。下請けの使い方をもっと考えて議論してもらいたい。
  • 好況感は全くなく、自社及び周辺企業では逆にどんどん悪化しているのが実状である。
  • 設備投資意欲の向上により需要は拡大。しかし来年・再来年の状況が把握できていないので情報収集を急いでいる。

2.機械部品・機械製造

  • とにかく人の問題が頭を悩ませることに尽きる。零細企業にとって外国人の人材に頼らないと会社を継続させることができない。
  • 特急対応が増え、計画が通りにいかない
  • 仕事量としてはかなりある状況と思う。但し、部材の確保が困難であったり、人手不足などの問題があり、各所で納期や着手そのものの遅延の話がある。ここ1~2年ぐらいは仕事量としてはあるようだが、先のことを考えると設備増強もし辛い状況。先を見越した対応をしないと生き残っていけない。
  • 急速なEV化が進み産業構造が変化する見込み。このEV化への対応に乗り遅れると仕事が激減する可能性がある。
  • 目先の仕事はあるが、2020年以降の自動車産業の動向で、小規模工場からは仕事がなくなる見込みがあり、危機感が増している。

3.印刷・包装関連

  • 印刷業界はやはりデジタルの波に押されている感じがするので、自社の製品に付加価値と、他社では真似できない強みがより必要になってくると思われる。
  • 印刷業界はずっと低迷期が続いている。同業者と話していても明るい話題は一つもなく、後継者問題に頭を抱えている人もいる。

4.食品・繊維製品・雑貨・身の回り品製造業

  • 大手企業の価格破壊により、定価販売が厳しくなっている。大量に安く販売しているため、そこと競争すれば廃棄ロスが増えてくる。環境や資源を大切にしようと言われているが、現場では反比例していくのではないかと不安になる。
  • 品質に関してシビアになってきている。特に東芝、日産など大手が引き金となっている。工場検査、倉庫管理検査、品質検査がさらに詳細に調べられることとなる。通常業務以上にそこに時間と費用を費やされる。
  • 小さい店舗の仕事が少ないように思う。寡占化が更に進行しているのか大手企業の仕事の流れがあるところに仕事の偏りが大きくなった。
  • 業界的には踊り場になりつつあると思う。リーマンショック以降、だいたい各社売上を伸ばしてきていたが、ここにきて、前年ダウンになりそうな感じである。まだ予測に過ぎないが、注意が必要な状態であると思う。
(3)流通業

●前回の8月景況調査の結果と比較すると、今月の業況判断DIは17→30、今月の経常利益DIは18→24、また前年同月比の販売価格変動DIは8→13という結果から、業界全体は改善があったといえます。また、今月の在庫感DIは10→△4という結果となり、業界全体の在庫過剰が改善され、数年ぶりに在庫不足の状態という結果が出ました。しかし、今月の雇用動向DIは△42→△42となり、依然として厳しい人手不足が続いています。さらに、今月の資金繰りDIは△21→△18と若干改善されたものの、依然として資金繰りも窮屈な状態が続いています。

また経営上の問題点(文章回答)においては、大企業(メーカー)の不祥事に伴う対応に逼迫しているなど、業界変化が経営に大きな影響を与えている回答が多数ありました。そして、経営上の力点に関する回答では、第1位「付加価値増大(63%)」、第2位「新規受注(顧客)の確保(47%)」、「人材確保(33%)」との回答となりました

(事務局 墨)

1.機械器具(自動車、事務機器、電設資材等)

  • 自動車は堅調で、当面はこの調子で推移する予測。ただ長い目で見たときに電気自動車(EV)へのシフトの影響がどの程度になるのか、いつ頃来るのか等が不明確で不安を煽られている。
  • ファクトリー・オートメーション(FA)関連はロボットを中心に絶好調だが、部材・部品の納期が延びているため、客先の要求納期に製品が間に合わない状況が多発。これは中国での自動化ニーズの増大が大きな要因。全体的には景況感は良いが、競合の参入などにより利益の確保は難しい。
  • 大手製造業からの中小企業への仕事は一定量あるも、全体に行き渡るまででは無い。仕事があっても「単価が安い、納期が短い、加工が難しい」の3拍子で、利益の確保に困窮している。
  • 夏以降、パッとしなかったが、11月は民需の発注が重なりやや良い。全般に良いといわれるが、業種、取引先企業の状態により差があるように感じられる。

2.建築資材

  • 足下の景況感が依然上がってこない。物価上昇2%も良いが、結局、消費者も企業も「先行き不透明感」からか、消費に向かわず、貯蓄や内部留保に向かうことが危惧される。
  • 墓石業界は全体的に非常によくない。墓を処分する傾向が増えており、新規墓石購入者が減少中。

3.繊維、衣服、雑貨

  • 近年のなかで、今年は早く寒さが訪れ、今月に関しては比較的良い状況ではあるが、この傾向が続くとは考えにくい。依然、デフレの傾向が続いている状態にある。
  • 景況感は上昇傾向にあるが、大手企業の参入や新規参入者も増加。

4.飲食料品

  • 大企業の不祥事が相次いだことで、日本ブランドの低下が懸念されたが、日経平均の推移を観ると今のところ大きな影響はない様子。
  • 鰻料理店の業績はどこも良いが、お店の後継者不在が10年以内に顕著になる見込み。家業として営業されているお店は特に深刻で、廃業の可能性が大きい。

5.運輸、情報通信

  • メーカーの仕事が増えていることと、新規開発や製品のバージョンアップなどのソフト改定の開発は需要増の見込み。現状のプロパー社員だけでは対応できないが、協力会社も簡単には増やせずに技術者不足で苦戦している。他の同業者も昨年以降に業務量の増加が目立っている。
  • 景気がよくなったと言われているが、仕事に対する条件も単価も変わっていない。
  • 依然、人材確保難が続いている。全体的に出荷量も多く人材不足な為、協力会社の確保難も顕著になってきている。免許改正もあったので人材確保の方法を見直さなくてはいけない。燃料高をはじめ労働時間短縮の為の有料道路使用の増加などで経費の増大等に影響を及ぼしている。

6.保険、不動産

  • 住宅用地の需要は下がったまま。事業用地は工場用地を中心に需要はあるが、規制に引っかかり思うようにならないお客さんがそのまま残っている状態。建築業者は倒産や、廃業(計画倒産を含む)が増加している。
  • 貸付向不動産融資が金融庁の通達によって抑制され、販売仕入れ共に厳しい状態になってきている。
(4)サービス業

●今月の業況判断DIは27→30と改善しましたが、経常利益DIは28→26、前年同月比売上高DIは14→12と僅かに悪化しました。次期見通しは、売上高DIは22→13、経常利益DIは30→23と悪化の予想です。

サービス業の3業種の動向を見ると、業況判断DIでは、専門サービス業32→36、対個人サービス業19→15、対事業所サービス業27→35。経常利益DIは専門34→29、対個人18→12、対事業所24→36でした。前年同月比売上高DIは専門20→22、対個人6→△9、対事業所14→19と対個人が大きく減少し、個人消費の低迷が見られます。

人手の過不足感を示す雇用動向DI(今月の状況)は、△39→△42、次期見通しも△34→△40と不足傾向を強めています。経営上の問題点では、「従業員の不足」、「新規参入者の増加」「人件費の増加」が上位となり、中でも「新規参入者の増加」は4業種のなかでも指摘割合が最も高い割合となっています。「経営上の力点」では「付加価値の増大」、「新規受注(顧客)の確保」、「人材確保」、「新規事業の展開」、「社員教育」が高い割合となり、深刻化する人材不足問題に対応するために社員教育や新規事業展開に力点を置き、労働生産性の向上に取り組むことが必要となっています。

(事務局 伊藤)

1.飲食業

  • 夏頃から、財布の紐が固くなった。年末の繁忙期に備えて、苦戦している。

2.産廃・環境

  • 時間短縮のためのプロジェクトで矛盾解決が問題。人件費が徐々に上昇している。
  • 再生樹脂の(中国)輸出困難により、輸出で出荷予定の在庫分がゴミとなる。この売上減少だけでなく処理費もかかるので痛い。年末で輸出を生業としている業者はライセンスの取消しが有り、輸出業界全体で低迷が予想される。新たな顧客、新たなニーズの発掘が困難になっている。

3.理容・美容

  • 人件費の増加と売上のバランスが難しい。
  • 新規参入も撤退も突出した傾向はないように感じる。顧客の囲い込みが優先課題。

4.介護・老人ホーム

  • 2018年3月に介護改正があり、介護単価が下がることが予想される。そこで現在よりケアー数を増やす努力をしたいが、人手不足の中、採用に対するコスト高が悩み。

5.広告、印刷業

  • 伸びているのはインターネット広告のみであり、新聞広告の下げ幅が特に大きい。紙媒体を中心でやっている中小企業は非常に多いが、早めの事業転換をしないとじり貧になっていくのは明らか。
  • 地方相場では経営が成り立たないため、自社の付加価値の訴求に力を入れることと、スキルアップに注力することの必要性に迫られている。
  • 情報を伝える手段の劇的変化よって、印刷業界の存続がこの短期間に答えがでるかもしれない。

6.イベント企画

  • 業界全体的に人手不足で、イベント現場のスタッフの確保が厳しくなっている。
  • 多岐にわたる忙しさが各取引先にあり、時間や手間がかかるようになってきている。

7.コンサルタント

  • 住宅着工戸数が微減、分譲住宅が落ち込んで賃貸が未だに堅調。土地や建設費用が高止まり感がある中、給与所得が上がらないので1次取得者の購買力が減退。賃貸が堅調なのは富裕層による投資が未だに続いているから。全体に建設業界の勢いが感じられなくなった。
  • 大企業を退職した無資格者が有資格者を評価するのは本末転倒で、大企業支配が強まると懸念する。

8.専門サービス業

  • 人手不足にあるにもかかわらず販売価格を上げられない為、歪な構造が生まれてきている。
  • 大企業を定年退職した人が無資格で参入し、有資格者を評価している本末転倒な状況が起きている。
  • 全般的に経営環境の不安定感が存在し、将来に関して意欲の削がれる状況。一番の問題は地域紛争の感覚が強まり、経済基盤の中小企業層の活性感がない。