活動報告

第16期役員研修大学 第1講座(5月18日)

同友会運動の歴史と理念
~理念を追求し、未来を切り開く

加藤 明彦氏  エイベックス(株)

加藤 明彦氏

加藤 明彦氏

第16期役員研修大学の第1講座・加藤明彦氏の報告を紹介します。

歴史から理念を学ぶ

戦後、傾斜生産方式で大企業を優先した政策が続き、中小企業は軽視される存在でした。そこから、中小企業家の声を集めた特定の政党に偏らない団体として、同友会の前身組織が発足しました。中小企業団体組織法を巡る日本中小企業政治連盟との見解の相違を経て、今の同友会が誕生したのです。

同友会には、「よい会社になろう・よい経営者をめざそう・よい経営環境をつくろう」「自主・民主・連帯の精神」「国民や地域とともに歩む中小企業」の3つの理念があります。これは誕生当初より全てあったものではありません。中小企業の経営者として苦しみを背負う会員が、必死に議論してきた中で生まれてきたものなのです。どの理念も欠かせず、またこうした歴史を学んで理解を深めていく必要があります。

同友会理念を学び、成長

近年、労使見解や人間尊重の精神といった、同友会用語こそ知られるようになりました。しかし、その本質的な内容まで理解されているか疑問です。

我社ではかつて一面的な能力だけで採用を決める、いわば、会社の立場での採用を行っていた時期がありました。人間尊重経営の本質を学び気付いたのは、個人の人格を認め、採用した社員の将来を共に描けるようにすることです。全ての人の潜在能力を生かしてその能力を発揮し、社員を「育てる」のではなく、経営者や社員間で「共に育ち合う」風土づくりに注力することで、会社の魅力が高まり成長することができます。

本質を追究

同友会らしさとは、「労使見解に基づき、人を生かす経営を実践」することです。ただ指針を作成する、グループ会で安易な答えを求めるだけでは、経営が良くなることはありません。とりわけ、同友会を我流に解釈したり、言葉だけで実践が伴わない「同友会ごっこ」をしていないか注意が必要です。

先人達から続く、自主的な活動を通して真摯に学び合い、経営実践する姿から、今では同友会は対外的に高く評価されています。本講座を含めた全講座を通して、同友会への理解を改めて深め、「語り部」となってください。