活動報告

第16期共育講座 第1講座(5月22日)

社員のやる気の源泉とは

吉田 幸隆氏  エバー(株)

吉田 幸隆氏

吉田 幸隆氏

第16期社員と学ぶ共育講座(35社、106名が参加)第1講座・吉田幸隆氏の報告を紹介します。

経営者の役割と責任を痛感

自社は、常滑市で金属プレス加工業を営んでおります。私は、親父に認めてもらいたいという気持ちで27歳のときに入社しました。当時は、とにかく売上を伸ばして会社を大きくしたいと必死でした。

そんなある日、社員が左腕を失うという労災事故が起こりました。彼の人生を台無しにしてしまい、自分は何をしていたのだろうと本当に申し訳なく思い、経営者としての役割と責任の重大さを痛感しました。

2008年のリーマンショックでは、幾度となく考えを巡らせましたが、どうしたら危機的状況から抜け出せるか分かりませんでした。社員に困っていることを素直に打ち明けましたが、反応は薄く、なかなか思うようにはいきませんでした。それでも、全員でSWOT分析を行い、危機感の共有を図りました。

2010年の大規模リコール、翌11年の東日本大震災と大きく環境が変化し、私自身もビジョンが描けず模索していました。自社の存在意義を再考しようと「エバーはどんな会社か」を考え、原点に立ち返ることで使命を確認できました。また社内体制の活性化に力を入れ、経営指針の実践、ビジョンの共有に取り組みました。

諦めずに考え足元を固める

良い会社にしていくための正解は、ひとつではないはずです。諦めずに考え続け、「これだ」と思ったことを決めて実行することが重要だと思います。社員が「この会社」ではなく「私の会社」と自社を語ってくれることが本当に嬉しく、私の喜びです。

人は「自分の弱さ」を認めたときに変わることができるのではないでしょうか。まだまだ課題はたくさんありますが、社員と考え続け、誓い合いながら社員の声が届く会社にしていきたいと思います。