活動報告

男女共生委員会(10月5日)

誰もが働き続けられる環境
~ワークライフバランスの取り組み

磯村 裕子氏  (有)サン樹脂加工

磯村 裕子氏

家族を大事にできる仕組みづくり

10月の男女共生委員会はフォーラム分科会実行委員会との合同で開催しました。男女共生委員会メンバーでもある磯村裕子氏(サン樹脂加工・常務取締役)のミニ報告を基に、グループ長研修も兼ねたグループ討論を行いました。

「入社当時8名だった社員数が現在35名。社長も私も家族・家庭を大事にしたい、長時間労働は止めたいと考えていても、日々の業務に押され、思いが空回りしていた。会社の2020年ビジョン作成の際に実施した全社員アンケートで、社員が幸せを感じるのは『家族で一緒にご飯を食べる』『健康で働く』等で、改めてその重要性を皆が認識したことが、取り組みのきっかけだった」と磯村氏。

社員がその気になったことで、それまで何度トライしても続かなかった毎週金曜日のノー残業デーは、2012年6月から現在まで継続中。産休・育休は女性2名、男性5名が取得、また2名の男性が介護休暇(無給)と年次有休を利用してシフト調整し、仕事と介護を両立しています。また、同社では16年前から「3年毎の配置換え」で10年かけての「多能工社員」育成に取り組んでおり、業務の共有化と併せ、産休・育休や介護への対応に奏功しているといいます。

社員の生活向上は会社に返ってくる

「平均残業時間はまだ多いが、社員同士の働きかけ効果は絶大だと実感した。職場環境を整えるには10年単位の時間が掛かり、最初は現場の反発も大きかったが、社長のあきらめない働きかけが社員をその気にした」と磯村氏は報告を結びました。

グループ討論では、ワークライフバランス(WLB)について、自社での課題や取り組めることを出し合いました。「WLBの課題は全面的に経営課題」「情報共有や多能工化には教育訓練の投資が必要で、お金と時間がかかる割に成果がすぐに出ない」といった課題のほか、「働きやすい仕組みを作り、社員同士の生活背景が違っても互いの働き方を理解し合える風土作りをすることが大事」「WLBの取り組みに即効性はないが、会社を良くするために一番必要なもの。社員一人ひとりの私生活・人格の向上は、後で会社に返ってくる」等の建設的な声も挙がるなど、活発な意見交換が行われました。