活動報告

西三河支部 人を生かす経営塾(12月7日)

職人集団から企業へ

水戸 勤夢氏  (有)アーティストリー

水戸 勤夢氏

水戸 勤夢氏

木製品製造業では

アーティストリーは、店舗などの家具等の木製品を単品生産する創業20年の企業で社員は28名です。経営理念は「私たちは、モノづくりを通じ、“思いやり”と“独創性”で社会に貢献します」です。創業20周年を機に、中期ビジョン「イノベーション(革新)で夢の実現~(1)『対応力・完成度・協力体制』で業界のトップランナーに、(2)オリジナル家具を身近なものに」を掲げました。これまで水戸氏が取り組んできた背景には、木製の店舗家具製造業界が置かれた厳しい状況があります。

ひと昔前の木製品製造業界は家族で営む5人以下の小規模企業で、土曜日も仕事が通常です。年配の方は、それが当たり前で、休みを増やしたいとは思っていないようですが、共同求人など新卒採用になると、それは大変不利になります。また、「ブラック企業」という言葉が世の中で流行しており、これからは週休2日にして、さらには残業もできるだけ減らさなくてはいけないことに、水戸氏は気づきました。

業界のトップランナー

経営者にとっては、手加工の職人さんに給与を減らさず1日でも休みを増やすのは大変なことです。しかし、「業界のトップランナー」というビジョンもあり、4年かけて休日を16日増やすことを決め、取り組み始めました。業界では、職人の人数が多いことが強みになるので、全社で助け合いを強化し、省力化し実現させたいと語ります。

また、最近は単品づくりでも機械が進化しており、導入も考えているといいます。機械化が進む社会は、省力化が進み若い人の活躍が早くなるという特徴があるので、メリットでもあります。一方で、何年もかけて身に着ける技術も大切な業界なので、両立させていきたいそうです。

今後も採用環境は厳しいのですが、未来へ向けて理念をもとに、ミスマッチングがないよう新卒と中途を計画的に採用していきたいと、水戸氏は締めくくりました。