活動報告

ダイヤモンド部会(10月26日)

100年存続する会社

杉野 友紀氏  (株)杉野商店

存続の危機をどう乗り越えてきたかを語る杉野氏(右から3人目)

存続の危機をどう乗り越えてきたかを語る杉野氏(右から3人目)

100年続く秘訣とは

10月例会報告者の杉野友紀氏は、1905年より続く繊維原料会社である杉野商店の4代目です。会社の沿革と当時の経営環境、そして100年以上続く企業経営の秘訣についてお話しいただきました。

杉野商店は、杉野氏の祖父が、糸の製造工程でできる「紡績落綿」の販売を始めたことからスタートしました。現在に至るまでには第1次世界大戦、ガチャマン景気、石油ショックなど、愛知の繊維業界を揺るがすさまざまな出来事がありました。

この間、会社ではおよそ30年ごとに存続の危機があり、そのつど歴代経営者による功績があったといいます。例えば、祖父が紡績落綿で大変な財をなした際、浪費をせず堅実に不動産を取得したことで、後の経営不況時に不動産を有効利用できたこと。また、住み込みで働く社員への感謝を忘れず、社員に好かれていたため、祖父が亡くなった際には当時の番頭社員が、小学生だった跡取り(父親)が成人するまで会社の面倒をみると申し出て、経営を繋いだことなどです。

会社が危機的状況に陥った時に活きるのは、日頃から情勢を分析し、先を見越した堅実な経営をすることや、会社を一緒になって守ってくれる社員の存在であると感じさせられた報告でした。