活動報告

広報部会(1月30日)

産学連携を通じた人づくり

江龍 修氏  名古屋工業大学副学長
鳥越 豊氏  (株)鳥越樹脂工業

産学連携での仕事づくりを報告する鳥越氏

あるべき姿を起点に

今月の広報部会は「産学連携」をテーマに、名古屋工業大学副学長の江龍修氏、同友会仕事づくり担当理事の鳥越豊氏に報告いただきました。

産学連携とは、大学が研究しているテーマや情報を活用し、新たな「事業の種」を創出することと、江龍氏はいいます。現在の延長線から将来を想像する思考法を「フォアキャスティング」といいますが、現状からの改良・改善では大きな変化は起きません。一方、将来の姿を描いて今することを考える方法が「バックキャスティング」です。産学連携はそれぞれの会社のビジョンと、大学が提供する価値や、同じく大学と連携している企業と連携することで、新しい価値をつくっていくことにあります。

江龍氏はまた、「あなたの会社は何屋か」が重要と強調します。単に扱う商材が何かということではなく、自社の強みや、どのような価値を顧客に提供しているかを自覚することが大切と話しました。

社員の目が変わる

次に、実際に産学連携で新たな仕事づくりを行っている鳥越樹脂工業の鳥越氏に報告いただきました。鳥越氏はもともと自動車関連部品の設計から製作・試作を行っていました。そらからリーマンショックなど大きな危機を迎える中で、「いつか自動車はなくなる。自社で価格を決められるようになりたい」と思ったといいます。そこで自社の強みは何かを考え、「試作品の設計と製造」と行きつき、樹脂製の様々な商品を考案しています。

このような取り組みを現場で行うのは社員です。仕事の変化に対して社員のできることが増えてきたと鳥越氏は話します。また、更に新たな事業の話を進めていると話し、社員はとてもワクワクしていると報告しました。

労使見解では、「新製品、新技術の開発につとめ、(中略)労働者の自主性が発揮される状態を企業内に確立する努力が決定的に重要」と述べています。今回の部会を通じ、バックキャスティングによるビジョンが、新製品や新技術の開発に繋がり、社員の自主性に大きな影響をもたらすと感じました。

安藤不動産  安藤 寿