活動報告

女性経営者の会(1月26日)

承継から継承へ
~社員と共に取り組んだ挑戦の軌跡

小柴 順子氏  (株)コージン (富山同友会)

会外経営者や男性会員を含む84名が参加

女性経営者の会では、愛知同友会に女性会員を増やそうと、富山同友会副代表理事でコージン会長の小柴順子氏を報告者に迎え、増強例会を開催しました。当日は会外の経営者13名と、愛知同友会の男性会員35名を含む、総勢84名が出席しました。

夫の急逝で事業承継

小柴氏は、立山連峰の麓でプラスチック成型の会社を経営しています。先代の社長であるご主人が出張先の九州で急逝されたことで、何の準備もないまま代表取締役となりました。

その時は、「社員の働く場(生活)と、お客さんの信用(自社の存在価値)を守るために、会社は絶対になくさない」「入社2年目の息子に経営者としての気構えと覚悟が身につくまで、自分が社長として会社を守る」と決意します。

前社長が残してくれた、頼りになる社員と外部からの信用が、何よりの財産でした。そして、前社長の夢でもあった、建設中のインドネシア工場を稼働させ、会社は順調に成長していきます。

社員の人生を守る

社長就任から3年、会社を息子に継承して小柴氏は会長に退き、会社は過去最高の業績を上げることができました。しかし、その2年後に発生したリーマンショックで、売上は2割に激減するというかつてない危機に直面します。「必ず元に戻る」と信じ、会社存続のためにできることは全て手を打った結果、社員の退社も解雇もなく、3年後にはリーマン前を上回る業績に回復しました。

「社員の人生を守り、地域になくてはならない会社にする、そして、私の周りの人が笑顔で心豊かに暮らせるようにしたい、それが私の夢です」と小柴氏は話を締めくくりました。企業は何のために存在するのかを心から実感できた報告でした。

続く懇親会でも、小柴氏のもとには名刺交換に訪れる会員の列が途切れず、改めて学びの多い報告であったことを再確認しました。