活動報告

ダイヤモンド部会3月例会(3月28日)

幸福の知恵を訳す

(株)飛球商会  山田 正平氏

「海外の出来事にも目を向け、広い視野を養うことが大切」と山田氏(右から4人目)

ウイグル人のアイデンティティに触れて

3月のダイヤモンド部会では、「クタドゥグ・ビリグ(幸福になるための知恵)」という古典文学について、飛球商会の山田正平氏より報告いただきました。この本は、トルコ共和国から中央アジアに分布するウイグル人を含むトルコ系民族の初めての文学です。国家統治や宗教行為のあり方などが6598句の詩によって書かれ、大変質の高い文学といわれています。

2011年に中国のウイグル地区を視察した山田氏は、急速に進む「西部大開発」の裏で、民族のアイデンティティを奪われるウイグルの人々の悔しさに触れ、彼らの誇りともいえるこの本と出合いました。日本語訳が存在しなかったことから、出版を目標に娘さんと一緒に翻訳に取り組み、6年目になるといいます。

山田氏は、「理念」と「利益」という矛盾を常に抱えながら経営をする1人の中小企業家として、自社や自国など、物事を狭い視野で捉えるのではなく、海外で今起こっている現実に目を向け、学び、広い視野を養うことが大切だと訴えました。

また、誰でもいつか必ず訪れる「死」についても、日頃から考えて準備する意識を持つべきであり、この本は「死を精神的に準備するために役立つ」と紹介しました。