活動報告

人を生かす経営を学ぶ総合学習会(10月23日)

中小企業の働き方改革
~何を求められているのか

現状否定から新しい意識改革の必要性を述べる永谷氏

永谷 律子氏  よつば労務管理事務所

働き方を変える岐路

中小企業の働き方改革について、人口減少の背景や社員を取り巻く環境の変化などを挙げながら、経営者として求められていることを、よつば労務管理事務所の永谷律子氏に報告いただきました。

1990年代から働き手が減少し、労働市場は大きな転換期を迎えています。少子化は消費市場の縮小と高齢化の問題にも直結し、2025年には国民の4人に1人が75歳以上になるといいます。

今後、役職者となる年代が働きながら介護する時代に突入する一方で、女性は短時間勤務でも長く働き続けられる環境を望むなど、働き方の意識を変える岐路に立たされるといえます。これまでの働き方から、仕事と生活の調和のとれたワークライフバランスを実現できる多様性が求められます。過去の考え方や価値観に捉われず、現状否定から新しい意識の改革をする必要性が挙げられました。

不離一体の改革

近年の動きは、昨年の電通の過労死認定を皮切りに、長時間労働・賃金不払いの法令違反企業への指導強化で、中小企業にも同様にコンプライアンスが問われます。これらを踏まえ、永谷氏は中小企業だからこそできることを次のように述べます。

中小企業は一人ひとりを尊重し合う風土を確立しやすく、社員の背景を見ながら働き方を考えることができます。理念・ビジョンに共感した社員と目指す姿が一致しており、役割に応じた権限移譲で社員に主体性が生まれるのです。

また多様な人が働き、「お互い様」と認め合える風土で信頼関係を築けます。このような「人を生かす経営」を目指す同友会こそ、本物の働き方改革ができるといえます。

「人を生かす経営」と「働き方改革」は不離一体といいます。中小企業が生き残るために、経営者はこの問題をどう解決し、目の前に迫った状況に先手を打ち、強みに変えていけるか、そして社員とどう向き合うのかが重要とまとめられました。