活動報告

第18期役員研修大学 集中講座(11月16日)

同友会理念と企業経営

労使見解に至る歴史から同友会の本質を学ぶ

加藤 明彦氏  エイベックス(株)

「労使見解」発表まで

第18期役員研修大学・集中講座では、「同友会理念と企業経営」とのテーマで加藤明彦会長より報告いただきました。本講座は同友会理念や会員の姿勢、同友会運動の到達点と課題を重点的に学ぶもので、2014年より開催しています。

まず、同友会理念は戦後の中小企業運動を担ってきた先人たちの熱い思いの結晶であるとともに、これから運動していく中で実践し、さらに深めていくものです。その運動を取り巻く、時代背景の変化を認識する必要性が強調され、労使見解発表までの歴史を学びました。

とりわけ、前身である全日本中小企業協議会(全中協)の方針や、同友会設立に至った日本中小企業政治連盟(中政連)との対立から、特定政党に偏らず、一方で中小企業憲章が生かされているか政治に関心を払い、国民や地域と共に歩む中小企業を志向していくこと。また「3つの目的」採択の経緯から、企業経営における経営者の責任が改めて指摘されました。

経営姿勢を確立する

また、同友会の本質は「労使見解」にあり、これを素直に学び、自社で実践することが何よりも重要だと加藤氏は語ります。全ての前提に「経営姿勢の確立」があり、「指針成文化とその全社的実践」「社員を最も信頼できるパートナーと考え、共に育ち合う」「外部環境の改善に労使が力を合わせる」が、学ぶべき点として挙げられます。これらを、経営者としての自惚れによる失敗や、リーマンショック時の雇用確保とそれによる売上回復、自社の採用・共育を例に挙げて説明しました。

近年、同友会に対する外部の評価が高まっています。これは創立から一貫して自主・自立的であり、愚直に学び経営に励む、良識ある経営者団体として認識されているからに他なりません。同友会で知識を得るだけでなく、自社で学びを実践する「語り部」となり、そうした仲間を広げていくことが呼びかけられました。

研修大学は1講座だけで完結するものでなく、今後の活動を通して末永く理解を深めていくものです。本講座での学びを生かし、同友会の本質を捉え、実践していくことが期待されます。