活動報告

どうゆうき

▼先日、報道番組を見ていたら、「君たちはどう生きるか」というマンガ本がベストセラーになっていると紹介されていました。原作は、1937年、世の中が戦争一色に流されていく時代の中で、主体性を持った本当の人間としての生き方を問いかけた小説であるとの説明がありました。これは現在の社会にも共通することです。多くの人が、将来の見えない時代の中で、不安を感じながら「自分はどう生きていくべきか」と行き先を探しています

▼私たちが学ぶ同友会では「人間尊重経営」を目指しています。「人間尊重経営」とは、生きることを保障し、協力し助け合いながら暮らしを守り、それぞれが人間らしく生きるという人間本来の幸せを、経営者と社員が一緒に見つけていく経営です。その実現において、必要になるのが経営指針の成文化です

▼人間の幸福感や理念は抽象的なもので、その人の価値観によって大きく変わります。また理念や幸福感は、具体的な行動や経験や知識の中から生まれ、その積み重ねによって深まり成長します。経営指針の成文化により、科学性・社会性・人間性の視点から自社の仕事を議論し、理念を具体化した方針に展開し、社員と一緒に計画や目標を決めて、行動に移していきます。そして毎年のサイクルの中で理念を深め、成長させていくことができるのです

▼こうした意味からも、同友会の経営指針の成文化は、「自分たちはどう生きるか」を見つけていく活動ともいえます。これは社員と共に充実した人生を送るためにも、必ず実行しなくてはいけない運動だといえます。

副代表理事  高瀬 喜照