活動報告

第18期役員研修大学 第10講座(2月19日)

同友会の「役員」とは

馬場 愼一郎氏  データライン(株)

実践報告からの学び方を説く馬場氏

自分の言葉で語る努力

第18期役員研修大学・第10講座では、データラインの馬場愼一郎氏に報告いただきました。

「人間尊重経営」や「あてにしあてにされる関係」など、同友会の言葉は多く知られるようになったといいます。しかし、その言葉に本気で賛同して自分の言葉で語れるかと疑問を呈します。役職上、理解したつもりになるのではなく、納得できない場合はその気持ちを大事にすること。一方で、過去何万人もの経営者が議論して生まれた同友会理念の正しさを信頼しつつ、議論を重ねることで過去の経過を追体験し、理解を深めてほしいと馬場氏は話します。

同友会では、経営者それぞれの実践報告が基本であること。その内容をそのまま実践しても、上手くいかないと強調。1つ1つの話の根幹が、同友会理念や方針のどこにあたるかを思慮し、それを自社の状況に照らし合わせて実践すること。いわば、「現象→本質→現象」を習慣づけることで、説得力ある「語り部」へと繋がると述べました。

同友会の目的とは

実際の活動も同様で、方針を上から下へただ伝えるのではなく、理解し共感しながらも、地区やグループの現状に応じて活動を検討していくことが役員の役割だと、馬場氏は強調します。「これだけは何とかしたい」と覚悟を持ち、自分の言葉で周りへ熱く働きかけていくことで、組織として前に進んでいくと、自身の経験を基に話しました。

単なる経営者の勉強会として同友会を考えると、得られるものは多くありません。会の目的は、同友会運動、つまり経営活動を通じてより良い社会を実現することであり、自社と地域の成長が一致する会社づくりを目指すことといえます。

同じ会の仲間である経営者に1人でも良くなってもらいたいと、「連帯」の気持ちで役を務めているという馬場氏。本気の関わり合いが身近でできているか、また会の理念を具体的に地区で実践できているか。こうした理念を自問自答する分だけ、社業と会が結びついていくのではないかと問いかけ、締め括りました。