活動報告

第19期役員研修大学 第1講座(5月21日)

同友会運動の歴史と理念(1)
全中協誕生 ~「労使見解」発表まで

加藤 明彦氏  エイベックス(株)

歴史と理念の関係を語る

第19期役員研修大学・第1講座の加藤明彦氏の報告を紹介します。

同友会理念を深めるために

戦後、大企業を優先とした政策の影響で中小企業は厳しい経営を余儀なくされる中、特定の政党に偏らない自主的な団体として、同友会の前身である全日本中小企業協議会(全中協)が結成されました。その後、同業組合を組織して価格競争の制限を目指す中小企業政治連盟(中政連)の運動に反対し、上からの統制ではなく「中小企業の自主的な努力」と「団結の力」で日本経済の繁栄を目指すために同友会が設立されました。

同友会理念を深めるには、同友会運動の歴史を学ぶ必要があります。なぜならこの同友会運動の歴史は、戦後の中小企業運動を担ってきた先人たちの「生きざま」であり、その熱い思いの結晶が「同友会理念」だからです。

会社においても、創業の想いや歴史を知ることで「経営理念」がより深まります。

自主・民主・連帯と労使見解

1975年に発表された「中小企業における労使関係の見解(労使見解)」は、「自主・民主・連帯(人間らしく生きる・生きる・暮らしを守る)の精神」から作られており、ここを学んで会社に活かすことが、同友会会員として最も重要といえます。

私自身、同友会の学びの中で経営者の姿勢を改め、社員一人ひとりの個性を活かし、様々な意見を出し合うことで全社一丸体制が確立されてきたと感じています。

同友会理念とは、運動の発展の中で実践し、深められていくものです。時代に合わせて翻訳され、会員の自社実践によって深められ、新しい社会運動になることで、同友会の新しい歴史が紡がれていくのです。そのためにも、同友会で得た気づきや学びを自社で実践することが重要です。