活動報告

第19期役員研修大学 第5講座(9月10日)

三位一体の経営(指針・採用・共育)

磯村 太郎氏  サン樹脂(株)

「経営姿勢の確立が何より重要」と磯村氏

第19期役員研修大学・第5講座の磯村太郎氏の報告を紹介します。

すべては経営姿勢

私が入社した際、会社存続のためには採用が急務だと感じました。社内の高齢化や、根気よく技術を磨く職人仕事であることから、「とにかく若くて根性がある人」を採用基準とし、奮闘しました。

しかし、入社した社員はみるみる元気がなくなり、1年未満で全員退社しました。理由を聞くと、「仕事も給与も環境にも不満はないが、この会社は嫌い」とのことでした。

「会社って何だ」「なぜ社員は自分の考えを理解しないのか」と悩み、経営指針を作成するも、経営理念がしっくりこず、机にしまい込んでいました。そんな中、社員と一緒に「共育講座」に参加し、社員は社員で会社の将来を真剣に考えており、そうした意見を言える場がなかったのは自分の責任だと気付きました。

また同時期に参加した指針セミナーでは、経営者と社員には埋められない溝があることを自覚。この経営者は信頼に足ると社員に思ってもらうこと、経営姿勢の確立が何より重要だと気付きました。

人間尊重を土台に

その後、共同求人活動に参加するも、準備不足のため惨敗します。しかし、「うちの会社はそんなに悪い会社じゃない」と社員に叱られ、会社に対する思いを嬉しく感じました。学生に自社のことを伝える中で、以前はしっくりこなかった経営理念が腹に落ち、社員とも共有できるようになっていきました。

以上の通り、社員の様々な声に気付かされながら、「指針」「採用」「共育」の三位一体の経営に取り組むことで、自社は一歩一歩発展してきました。また、この3つの項目はそれぞれが繋がっており、その土台として「人間尊重の経営」があるのです。