活動報告

障害者自立応援委員会(1月15日)

一歩先の成長を支える

大湊 一毅氏  (有)今池工業

大湊 一毅氏

1月の障害者自立応援委員会では今池工業の大湊一毅氏に、障害者雇用の体験報告をしていただきました。以下に概要を紹介します。

「共存共栄」を目指す

当社は東郷町で自動車部品の加工をしています。先代の父が亡くなり、2年前に継承しました。社員10名のうち聴覚と精神の障害者が各1名、パート50名を雇用しています。また、障害者の事業所から1日6時間の作業に入っていただき、精神、うつ、適応、知的の障害のある人たちも一緒に働いています。

障害者雇用の動機は人手不足とコスト面からでした。しかし、共に働く中で自分自身の考え方が大きく変わっていきました。その理由は、社風が変わってきたからです。

例えば、聴覚障害の社員の教育担当者は自発的に手話を覚え、昼休みに手話教室が始まり、社内に楽しい雰囲気が広がりました。また、社外から作業に来る障害のある人たちから感謝され、社員はあてにされる喜びを感じています。関わりの中で皆が「働く喜び」を実感し、私も一緒にやっていこうと強く思うようになりました。

こうした経験から得たキーワードは「共存共栄」です。それを目指し、社員と経営指針づくりの真っ最中です。

どうしたらできるのか

先代が大切にしていた「人は宝」に、私の思いをプラスして「縁は宝」を基本としています。採用は、来る者は拒まずの方針で「なにができるのか」からスタートし、「どうしたらできるのか」を考えます。やってみて、できないことがわかれば一歩前進です。できないのはなぜかを考えることで、リスクはプラスに変わるのです。

当社では精神障害の社員もフルタイムで働いています。皆の工夫で、その人に合う仕事を作り出しています。

また「どうしたらできるのか」を考えれば、もう一歩先の成長を支えることができます。雇用をするだけでなく、雇用した社員が働く喜びを感じてこそ社会貢献です。人材不足の時代、一人ひとりの力を見出すことが、トップの重要な役割だと思います。