活動報告

協働共生委員会(9月25日)

社員と相互に信頼
~労使コミュニケーションが鍵

鈴木 誠氏  愛知学泉大学現代マネジメント学部・講師

労使コミュニケーションから望ましい働き方を提起する鈴木氏(左端)

モチベーションの維持

協働共生委員会では「労使コミュニケーションと『働き方改革』」と題して学習会を開催し、愛知学泉大学講師の鈴木誠氏に報告いただきました。

鈴木氏は、2012年に中同協の協力を得て、「労使コミュニケーションの経営資源性と課題」の調査に携わり、同友会会員と非会員企業との違いを調べました。その際に、会社を発展させるには経営者と社員が方向性を一致させること、そして、社員に高いモチベーションをもって働いてもらうには労使コミュニュケーションが重要だと述べています。

非会員企業の事例では、「残業手当の正当な支払い」に対する不信感から社員が労働組合を結成。組合は話し合いを求めていましたが、団体交渉を進めても経営者は社員に向き合う姿勢を見せず、結果的にこの会社は破産したといいます。他にも、労働組合が存在し、労使間のコミュニケーションは問題ないと見られていた会社でも、組合が経営に対するチェック機能を果たしておらず、全社員が職を失った事例が紹介されました。

こうした現状を踏まえ、鈴木氏は労使の関係性について、中身を伴わない形だけのケースが多く存在している可能性に言及しました。

働きやすい会社へ

労使コミュニケーションとは単なる情報伝達ではなく、基本要件である経営者の「決断」、経営情報の完全「公開」、「権限委譲」、そして「相互尊重」「相互信頼」を満たしている状態のことを指します。

また、「働き方改革」とは、年齢や性別、国籍といった固有の属性に捉われず、多様で柔軟な働き方を選択可能とするものです。顕在化する長時間労働、働き手への負担や生産性の向上にどう対応するのかは、避けられない問題として経営者に問われています。

有給休暇取得率の向上、残業ゼロ、ワークライフバランスの推奨などは働きやすい会社をつくることに繋がっており、その根底に労使のコミュニケーションがあるとまとめられました。