活動報告

農業部会(9月13日)

プロダクトアウトからマーケットインへ
~顧客の声から商品づくり

山中 浩晃氏  (株)山信商店

スーパー業界について詳細に話す山中氏

消費の二極化に対応

9月の農業部会は報告者に山信商店の山中浩晃氏を招いて、「プロダクトアウトからマーケットインへ~お客様の声からの商品づくり」とのテーマで開催しました。

山中氏は食品スーパーマーケットを愛知県下に7店舗運営し、他にレストラン事業・農業生産も手がけています。スーパーは近年、ドラッグストア等異業種からの参入もある競争の厳しい業界で、商品は価格と価値の二極化、中食の広がりによる惣菜部門の充実が求められています。

今後の課題として、資源の減少による価格高騰、社員の労働環境整備や高齢化対策等が挙げられます。これらに向き合いながら、経営理念を掲げ、迷った際は行商を行った創業当時の精神を思い浮かべて議論を尽くしてきたと、山中氏は話します。

自社ブランドで差別化

現在、スーパーでの青果の扱いは、(1)特売品、(2)地域性を打ち出す商品(生産者の顔が見える商品等)、(3)健康志向の受け皿(美容・ダイエット等)です。それを踏まえ、地場商品の優位性や、生産者と担当者が話し合う「顔が見えるお付き合い」をする青果会議・ミニセミナーの開催、テレビを活用した販売等、「お客様」を意識した青果の売り方について、山中氏の自社実践が紹介されました。

山中氏は、自社の理念と他社との差別化を意識して立ち上げた農産物ブランド「ごんべいの里」に触れ、一般野菜との粗利の対比や、購入金額全体で徐々に成果が現れ始めたことを話しました。農家も率直に自社のような中小スーパーへ相談して、「お取引先」から「お取組先」の関係になり、互いにプラスになるよう協力していこうと呼びかけ、締めくくりました。

グループ討論では、商品の販売先を把握することや、生産者がしっかりと自身の商品を理解して外部に発信する必要性が議論され、「農業経営」を考える契機となりました。