活動報告

農業部会(1月22~23日)

地域と共に育つ農業経営
~鹿児島同友会の農業関連企業を視察

「農業で幸せを創る」をコンセプトとする(株)さかうえの事業紹介を聞く

農業を中心とした資源循環を構築

農業部会では、同友会らしい「地域と共に育つ経営」を学ぶため、鹿児島同友会の農業関連企業を2日間にわたり視察しました。

1日目、最初の視察先は農業生産法人(株)さかうえです。事業として、畜産業向けの飼料用作物を栽培し、地域内の畜産業者へ販売しています。そして、畜産業者から供給される堆肥を農作物の栽培に使用することで、資源の循環が地域内で無駄なく行われる仕組みを構築していました。

また新卒採用に積極的に取り組むとともに、従業員が主体となり経営指針を作成し、PDCAが回る組織運営が実施されていました。

次は、志布志市内の家庭ゴミや産業ゴミを堆肥化している、(有)そおリサイクルセンター(会外)を視察しました。処理後の堆肥を農業者向けに販売することで、地域の廃棄物を余すことなく利活用しており、同市のリサイクル率向上の立役者となっています。

企業見学先の(株)さかうえの大型農機と参加者

技術力で海外市場を開拓

2日目は、お茶の生産・製造・販売を行う(有)上室製茶を視察。国内市場の低迷を転機に、JGAPやISOなどの認証制度取得を積極的に行い、事業の柱を海外への加工用抹茶に転換しています。情勢の変化に対応し、新しい分野に取り組む姿勢が参考になりました。

最後に、アネット(有)を視察しました。同社は培養した苗の販売や、農産物加工を行っています。全国的にも珍しい有機加工食品(生姜)で、有機JAS認定も取得しています。顧客ニーズを捉え、積極的な事業展開を進めていることが印象的でした。

鹿児島県の農業関連企業は、企業同士の連携で資源を無駄なく循環させており、地域全体の生産性を向上させていました。また、各種認証制度を活用することで付加価値を高め、海外市場を積極的に開拓している事例も参考になりました。

今回の視察を通じて学んだことを自社の経営に落とし込み、地域の振興につながるよう取り組んでいきたいと思います。

田島農園  田島 寛也