活動報告

事業承継学習会(10月11日)

迫る事業承継
~事例から課題を考える

張 おさむ氏  (株)イワコーホーム
藤田 彰男氏  赤津機械(株)

継ぐ側の気づき

事業承継プロジェクト主催の学習会が開催され、事業を承継したイワコーホームの張おさむ氏、次の代へ承継予定の赤津機械の藤田彰男氏による報告と、弁護士、公認会計士の専門家によるパネル討論が行われました。

張氏は義父の会社を承継した経験を報告。義父は旅館業を営み、利益が少ない仕事のため赤字状態が続き、経営を断念した会社を張氏が継承しました。決算書が読めず、借入金が多額だったため、利子の返済に追われていた時、同友会の経営相談室を知ります。そこで理念の承継のみならず、経営実態を数字で把握し、科学的に見ることが大切だと気づいたといいます。

事業を承継した張氏

継がせる側の苦労

藤田氏は、事業継承にあたっての株式譲渡など計画的に行うことを報告。藤田氏の入社当時、親族内株主の多さ、保有率の高さが課題であったといいます。そして婿養子ではないため、相続人と認められず、税金も高くなりました。しかし今回、事業承継税制が変わったことで、相続税・贈与税の納税猶予、及び免除制度が拡充されたため、その制度を活用し、後継予定者に株式を集約する予定であることを報告しました。

しかし、納税の猶予制度が設けられたことで、すぐに後継者へ負担がかかることはないように見えますが、適用には条件があります。藤田氏は正しい情報を集め、自社の承継課題を明確にし、計画を立てる機会にしてほしいと訴えました。

次の代へ承継予定の藤田氏

パネル討論では、各社各様で事業承継に関する課題があり、承継にかかる期間を10年とみて、現状を把握し、計画を立てていく必要性があることが強調されました。