調査・研究・提言

2005インターンシップ
学生102名(14大学)、受入企業51社

「共育」理念を広く地域社会に 学生102名(14大学)が51社で研修

8月22日~9月2日

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経営者本人から企業理念を学ぶ

今年で8年目を迎えた同友会のインターンシップ。今年は、学生102名、受入企業51社(事務局含む)、派遣大学14校という過去最高の規模となり、8月22日の「キックオフセミナー」で始まり、9月2日の「修了式」で幕を閉じました。同友会のインターンシップの魅力として挙げられるのは、経営者本人から企業理念や会社の魅力を学ぶことができる点です。今年も修了式では研修を終えた学生から、「中小企業では社長との距離が近く、やりがいが生まれた」「中小企業では社員一人一人が仕事に誇りを持って働いていた」といった体験が語られました。修了式では30社が参加して「模擬企業説明会」も開催され、学生は来春からの就職活動の予行練習として、企業面談での質問の仕方などを学びました。模擬企業説明会の後、再び全員が集まって修了式が行われ、派遣大学14校を代表して南山大学経済学部の近藤仁教授からのあいさつがあり、その後、佐々木会長より研修生全員に修了証書が手渡されました。

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「主役は学生自身」学生実行委員が活躍

最近、学生間の「口コミ」で同友会のインターンシップの魅力が広がっています。先輩から「インターンシップなら、同友会の会員企業がいいよ」といったアドバイスを受けたという学生が増えていることにも表れています。これは「インターンシップの主役は学生自身」との意気込みで、一昨年から活動している「インターンシップ学生実行委員会」の活躍の成果とも言えます。今年研修を終えた11名の学生が、すでに来年度に向けての実行委員に立候補しています。11月4日の「まとめ会議」から早くも来年度に向けた活動がスタートします。今後も会員の皆さんのご支援をお願いします。

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学生501名が264社(のべ)でインターシップ研修(8年間で)

「共育」理念を広く地域社会に

愛知同友会ではインターンシップの取り組みを始めて今年で8年目を迎えます。この間、501名の学生が事務局を含め、のべ264社で研修を受けました。このインターンシップの取り組みは、毎年1月の受入企業の募集から始まり、4~7月の企業と学生の希望をマッチングさせる作業、さらに事前の「受入企業会議」などの準備を経て、「キックオフセミナー」と各企業での研修、そして最後に修了式が行われます。さらに、11月には「まとめ会議」が開催されるといった年間サイクルの活動となっています。今年度の集合研修には、名古屋市の職員の方や高校の教員の方々もオブザーバで参加され、学生や大学だけでなく、中小企業の魅力を広く社会に伝える機会ともなっています。今年の受入企業の体験と、「インターンシップ感想文集」から学生の感想を紹介します。また写真は受け入れ企業(事務局)での研修風景です。

研修生を受け入れて

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新卒受入にも自信が 加藤三基男サン食品(株)(瑞穂地区)

女子学生を初めて受け入れて

わが社ではインターンシップ生を受け入れて2年目になります。今年は初めての女子学生でした。当初、こんにゃく製造業の当社では、重い荷物を運び、工場内は暑いという環境もあって、受け入れを断ろうと思っていました。しかし、この学生の「教員になろうかと思っているが、果してこのまま教員をめざして良いものなのか迷っている。ぜひ営業職を体験したい」という研修動機に押されたかたちで、受け入れを決断しました。

「営業課長はカッコいいです」

彼女には研修の目玉として「秋の商品開発」の企画から、売り込みまで社員といっしょに体験してもらいました。担当の営業課長と研修生が、新商品を持ってスーパーでのプレゼンテーションを行った時のことです。結果を待っていた車中で、「新商品を開発しても、採用されないことは多々ある。営業という仕事は結果が求められるし、お客様の御用聞きなんかもやらなければならない」とこぼす営業課長。その時に彼女は、「この研修中、営業という仕事を見てきましたが、営業課長はカッコいいと思います。私は将来、営業という職種につきたいと思い始めています」と語ったというのです。

女性営業職の募集も

「私も営業職に」という学生の感想は、社員にとって最高の誉め言葉です。学生にとっては教職と営業職との選択への1つの回答だったのではないでしょうか。自社も近々新卒採用に踏み切り、できれば女性の営業職も募集したいと思っていたので、今回の研修で新卒者の受け入れ態勢に自信が持てました。来年度以降も自社と学生のためにインターンシップに参加したいと思います。

私が学んだもの(感想レポート)-抜粋

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愛知工業大学Nさん
研修先アイギ工業(株)(熱田地区)

僕は車に興味があり、ブレーキのパーツがどうやって作られているのか、どのように品質を確保しているのかを知りたくて、今回アイギ工業で研修を受けさせていただきました。参加して一番最初に感じた事は、僕ら学生は甘っちょろい事ばかり考え行動していたということです。アルバイトをしているから少しは社会というものを理解していたつもりでしたが、働くということはもっと厳しく、ものすごく大変なんだということを教えていただきました。アイギ工業で製作しているネジ1つをとっても、いろいろな人がいろいろな工程をへて、ネジが出来上がるということを知り、製品を作ることの大変さを体験させていただきました。また、大手工作メーカーを見学させていただき、アイギ工業のような中小企業があるからこそ、車のパーツを組付けれるわけで、そのパーツがあるからこそ、車を造ることができるんだということを学びました。今まで「たかがネジ1個」と思っていましたが、いかに中小企業が品質に注意を払い、より良い物を作るために努力しているかを知り大変驚きましたし、中小企業の大切さを学ぶことができました。実質8日間という短い間でしたが、この研修で学ばせていただいた事を胸に、これからの学生生活を過ごしていきたいと思います。

愛知淑徳大学Yさん
研修先(株)ケイ・クリエイト(一宮地区)

私は編集者やライターをめざしています。そこで、広告・出版・印刷業界を少しでも見たいと思い、今回ケイ・クリエイトで研修を受けさせていただきました。実際に新聞の折り込みチラシや伝票などといった一般印刷物の営業を体験させていただき、1枚のチラシでも、お客様の意見を聞きながら、自分の意見も入れて一緒に広告を作るというディレクターのような仕事だということがわかりました。さらにデザイン事務所でデザインの打ち合わせをしたり、商品の掲載場所や季節感を出すためには配色をどうするかなど、考えることがたくさんあり面白そうだと感じました。また社員の方に話を聞くと、今の仕事の中で各自が楽しみを見つけて、仕事を自分で面白くしているようでした。「状況が変わらないのであれば、自分で工夫をして楽しくすればよい」、そう語る社員さんの目がとても輝いていました。また、机をならべて営業をされている先輩方の姿を見ながら、働くことは楽しいことだなと実感。「私もこんな風に仕事ができたらいいな」と思いました。どんな業種に就職しようか迷っていましたが、研修を終えて、「やりたいことさえ決まっていれば、後は会社を見ながら考えていけば良いのでは」と思うようになり、いい意味で肩の力が抜けたような気がしました。

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●派遣大学(十四大学)

愛知学院大学、愛知学泉大学、愛知県立大学、愛知工業大学、愛知産業大学、愛知淑徳大学、金城学院大学、高知大学、椙山女学園大学、大同工業大学、東邦学園大学、南山大学、日本福祉大学、名城大学