調査・研究・提言

2009インターンシップ
学生72名(11大学)、受入企業36社

「共育」の理念を広く地域社会に~ 学生72名(11大学)が働くことを学ぶ

キックオフ:8月24日 修了式:9月4日

2週間の研修を終えて

今年で12年目を迎える愛知同友会のインターンシップは、11の大学から72名の学生が、会員企業35社と同友会事務局で二週間の研修に臨みました。
研修初日は集合研修として、毎年「キックオフセミナー」を実施。参加学生、受入企業、派遣大学が一堂に会し、インターンシップの意義を確認しています。
今年のキックオフでは、冒頭、朝日大学の栗原和夫教授から「インターンシップは、仕事を知ること、自分を知ること、就職活動に活かすことができる。仕事は一人でするものではないので、自分の欠点を埋めるための勉強の機会にして欲しい」との挨拶をいただきました。
続いて、受入企業を代表して、キタガワ工芸の北川誠治氏から、「インターンシップを通して、社会人としての責任や社内での人間関係づくり、また働くことの大切さや、これから卒業までの学ぶ目的など、多くのことを学んで欲しい」と問題提起がされました。

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生きがい働きがいを学ぶ

最終日の修了式では、研修生を代表して三名の学生がスピーチを行いました。名城大学のOさん(研修先・協栄産業)は、「何のために働くかを常に考えて、自分が働いた結果が他の人の笑顔になるような仕事に就きたい」との決意を紹介しました。
愛知淑徳大学のMさん(研修先・羽根田商会)は「営業という仕事に対して持っていたイメージがガラリと変わった。就職活動だけでなく、これからの人生の参考にもなった」と感想を発表。
また、愛知学院大学のYさん(研修先・トライアングルC)は、二週間の研修で学んだことを小冊子にまとめて参加者全員に配布していました。
昨秋以来の厳しい経営環境を受け、就職活動を前にしたインターンシップの重要性がますます高まっています。同友会が行うインターンシップは、単なる就労実習や職場体験に終わらせず、生きがいや働きがいを学ぶことができる取り組みの蓄積が行なわれています。

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自分が変った!2週間~私が研修で学んだもの

働くことの意味を学ぶ

今年で12年目となる愛知同友会のインターンシップでは、11大学から72名の研修生を35社と事務局で受け入れました。
9月4日の修了式では、二週間の研修から、働くことの意味や中小企業でのやりがいなど、研修で学んだことが交流されました。
2009年度のインターンシップは10月20日の「まとめ会議」をもって締めくくります。インターンシップ学生実行委員が企画・運営を行った集合研修や、各企業での研修風景を、また提出された感想文の一部を紹介します。

感想文より(抜粋)

人を支える仕事に

◆まず驚いたのは、働くということは学生生活とは比べ物にならないほど忙しいという事です。同行させて頂いた社長の携帯には、トラックの運転中だろうと、 現場での作業中だろうと、ひっきりなしに電話がかかってきて、会社の予定表にも、夜中まで仕事や工事が入っていて、大変だと思いました。
また体調を崩した社員さんが「決められた仕事があるから」と次の日すぐ出社していました。ここが学生と働く社会人との一番の違いではないかと思います。
今回のインターンシップで、働くという事は大変な事だという事がわかりました。そして働く事の雰囲気を感じる事が出来たのは、貴重な経験でした。将来、どんな仕事に就くのかわかりませんが、いろんな人を支えるような仕事に就きたいと思います。
(金原カッター・Tさん)

社会人の責任

◆今回の研修ではマナー研修、受付での電話応対、来客応対、事務処理、コールセンターでのアウトバンドコールなど様々なことを経験させていただきました。
たくさんのことを経験させてもらった中で私が最も身に染みて感じたことは「社会人の責任の重さ」です。
キックオフセミナーの討論の中でも「学生と社会人の違い」ということで“責任”について企業の方を交えお話させてもらい、社会人の責任の重さというのは十分に理解していたつもりでした。
しかし、頭で理解するのと実際に感じてみるのでは大きく違いました。それは、自分がとったりかけた電話一つでお客様への会社のイメージの良し悪しが決まること。
また些細な入力ミスがお客様と会社の信頼関係を傷つけてしまうのです。このような何気ないことが会社の運営に影響を及ぼしたり、大きな失敗につながってしまうのだと、この8日間でしみじみと感じました。 (三愛・Kさん)

モノづくりに感動

◆まず初日の社長のお話で社訓でもある夢を叶えるには意欲と努力が必要という意味からできた「意努夢」という言葉の説明がとても心に残っています。
三次元CADの研修では実際にペン立てを設計させてもらいそれを五軸のNC機により切削するという体験までさせていただきました。
ここでは自分で設計したものが実際に形になる感動を味わいましたし、仕事となるとまた違うのかもしれませんが「モノ作り」という仕事にとてもやりがいを感じることができました。
このインターンシップでは当初の目的以上のことを学ぶことができました。このような経験を無駄にしないように学生生活や社会に出てからも活かし続けたいと思います。(鳥越樹脂工業・Mさん)

インターンシップ推移 (派遣大学、参加学生、受入企業)
  98年 99年 00年 01年 02年 03年 04年 05年 06年 07年 08年 09年
派遣大学数 1 3 3 4 8 11 13 13 17 12 11 11
学生数 27 56 50 54 56 66 90 102 108 77 62 72
受入企業数 12 32 29 30 33 34 43 51 51 45 37 36