活動報告

経営指針調査 4年間のまとめ

成果のカギは「人を生かす経営(労使見解)」
~強力に展開される「経営指針運動」

2000名の回答データ

愛知同友会では、経営指針の取り組みや成果を把握して今後の推進活動に役立てる目的で、4年間、経営指針に関するアンケートを実施しました。今年度は1994名、53%と高い回答率を得ることができ、経営理念・経営方針・経営計画、すべてを具備する経営指針を保有する会員も665名へと確実に増えてきました。愛知同友会における経営指針が、運動として地域に根ざして強力に展開されている結果だといえます(グラフ1参照)。

グラフ1「回答数・回答率と経営指針保有率(/回答数)」

会員数の増勢と共に、経営理念・経営方針・経営計画、いずれも全くないという会員は19%と、5人に1人の割合でした。同時に、経営指針の必要性や意義について確信を持つ文章回答(採用や定着、社員の成長、風通しの良い職場づくり、顧客理解、目的や目標の共有、数値や役割の理解と自発的行動など)の数も増えています。経営指針に取り組み始めた会員からは「経営指針はなくてはならないもの」との回答が多く寄せられました。

経営姿勢の確立を重視

一方で、活用や実践については、着実に前進(「全員に発表」462名→526名)してはいるものの、課題とする声も多くなっています。特には、「時間がない(82%)」「社員の理解が得られない(35%)」などです(グラフ2、3参照)。

グラフ2「経営指針の実践」

グラフ3「指針実践の課題」

また、経営指針の作成や保有者数に比べ、「労使見解(中小企業における労使関係の見解)」を何度も読み熟読している会員が少なく、低い数値で推移しています(グラフ5参照)。

グラフ4「経営指針成果率」

グラフ5「労使見解の熟読者数と率」

そこで、経営指針で何らかの成果を出している割合と労使見解の熟読者率との関係を分析したところ、正の相関関係にあることがわかりました。

経営指針を実践し成果を上げていくカギとなるのは、やはり「労使見解」に基づいた「人を生かす経営」にあるといえるのではないでしょうか。

2016年度活動方針の重点は、この「労使見解」です。昨今の情勢を踏まえても、その重要性は高まってきているといえます。経営指針推進運動でも、「労使見解」「人を生かす経営」の学びを重視していく予定です。