活動報告

海を渡る「瓦キューブ」 AICL(仕事づくり研究会)4月25日

鬼瓦技術とデザイン力応用で用途拡大

鈴木 良氏  鬼福製鬼瓦所

縮小市場のなかで世界を視野に入れた挑戦

瓦の概念を取り払う

AICL(仕事づくり研究会)の4月例会が開催されました。今回は鬼福製鬼瓦所の鈴木良氏より、「海を渡る瓦キューブ~鬼瓦技術とデザイン力応用で用途拡大へ、海外で情報発信」と題して新たなビジネスの創出事例を報告いただきました。

鈴木氏は創業100年を超える鬼瓦製作所の4代目です。瓦業界の市場が減っている中で、(1)日本のものづくりを未来へ伝える、(2)瓦の素材と鬼師(鬼瓦職人)の技術でいぶし銀の世界観を創造する、を経営目的として、製品が使われる場所は屋根だという概念を取り払い、事業領域の拡大を図っています。

「鬼師」をどう伝えるか

新たな取り組みとして、一般財団法人伝統的工芸品産業振興協会のパリでの展示会に参加し、立体造形物の「瓦キューブ」を出品。今年2月には鈴木氏も渡仏して、鬼瓦の製作実演も行いました。

鈴木氏は、いぶし瓦の素材特性と、鬼福は何ができるかを伝えるサンプルとして瓦キューブを作ったそうですが、「鬼師」の要素が伝わらないのが悩みのようです。

参加者からは鬼瓦の「鬼」をもっと打ち出していくべきだとの意見も出るなど、活発に意見交換がされました。

また今回は、愛知県から経済産業局産業振興課と労働局産業人材育成課の方にも参加いただき、様々な情報を持ち帰ることができた例会となりました。

茶久染色(株)  今枝 憲彦