どうゆうき


▼三月の声を聞くと急に気分も明るくなってくるように感じます。二月と三月たった一日違いで「春近し」が実感できるのです。今年の冬は平年より気温が高く、過ごしやすかったとはいえ、春は待ち遠しいものです。しかし、衣料や暖房などに関係する企業の方たちにとっては、厳しい冬だったかも知れません

▼昨年秋「中小企業基本法」が改訂され、新しい基本法に変わりました。ここでは国の中小企業に対する見方が変わり、創業支援やベンチャー支援に中小企業施策の重点がおかれることになりました。二百数十万社とも言われる普通の中小企業に対する施策はどうなるのでしょうか。不満を感じられなくもないと思います

▼しかし謙虚に振り返りますと、「中小企業基本法」なるものの存在は知っていても、その内容については、まったくといっていいほどに無頓着で、私達はいました。そういう状態でありながら、そこそこに経営して、「普通の中小企業」をつくり上げてきたのです。これが現状なのではないでしょうか。そして最大多数である「普通の中小企業」が活性化できる施策こそ、期待したいものです

▼愛知同友会では、ビジョンで自立型企業になることを旗印の一つに挙げています。国や地方の中小企業政策がどんなものであろうと、自助努力を重んじ、経営を続けなければなりません。そんな旗印を掲げているのが、同友会のよさだと思っています。景気回復を実感できない春ですが、作者は忘れましたが、こんな歌などいかがでしょうか。「底々と・そこに見る底・多かれど・どれが底だか・そこが分からず」

会長佐々木正喜