名古屋支部・新市場創造研究会
「生き残りをかけて新市場創造を」〜産官学のネットワークを活かした研究会活動〜
産学連携の動きが中部地域でも活発に
中部地方では関東・関西と比べ産学連携を取り組みが立ち遅れていましたが、一昨年には中部産業経済局が主体となり、「中部TLO」が発足しました。私立大学でも各校が産学連携の窓口を設けたり、中部大学の呼びかけで私学六大学が「研究支援実務者連絡会」を設置するなど、動きが本格化しています。一方、名古屋支部では産学連携を方針に掲げ、中部の私学六校や愛知県や名古屋市との懇談会を行い、六月にはその窓口となる「新市場創造研究会」を発足させました。
大同工業大学のレンタルラボに入居
この研究会では同友会のネットワークを有効に生かし、(1)経営課題の情報交換、(2)企業の体質強化のための研究と実践、(3)共同開発・共同受注等を目的としており、現在のメンバーは37名。当面は企業訪問を通してお互いの得意技を知りあう活動を中心に、行政・大学との支援機関と積極的に連携していくことをめざしています。今年八月に大同工業大学内のレンタルラボに入居、9月には尾張支部の異業種交流グループ「エントロピー豊明」も入居し、2つの研究会と大学との連携が始まっています。
研究会会長の佐藤文昭氏に聞く

小倉鋼機(株)社長
『利』の追求も必要
私は同友会の役員をしていたおかげで、気心の知れた仲間に仕事を発注し、ずいぶんと助けてもらった経験があります。愛知で2300名のネットワークがあるのだから、これを有効に活用しない手はないと思っていました。これまでの同友会の活動は「自立型企業づくり」を目標に掲げ学んできており、どちらかといえば、『知』に重点がおかれていました。しかしこれからは、お互いに手を組んで、いわば『利』を追求する活動も活発に行うべきだと思います。自動車を中心にした生産拠点の海外移転や、世界規模でのコストダウン競争など、中小企業の経営環境は激変しています。生き残るにはこれまでと違う仕事を展開する、いわば『新たな市場』をつくり出すことが急務だと考えています。
新しい仕事づくりに
新たな仕事づくりと強い体質の企業づくりを実現したいと考えるメンバー37名が集まり、今はメンバーの企業訪問を行って、お互いの得意技を知り合うことから始めています。その上で、技術開発の相談やマーケティング戦略など、私達だけでは解決できない課題を、大学の研究成果や様々な支援政策を活用することで解決し、新しい仕事づくりに役立てていきたいと思います。