金融アセスメント推進プロジェクト1月31日
金融アセスメント法法制化の展望を語る
国吉昌晴氏(中同協・専務幹事)
13万達成学習会&感謝状贈呈式
昨年末10万をめざした「金融アセスメント法」署名も大きく目標を達成し、1月末には13万名を越えました。この成果を受け、活動のまとめと今後の展望についての学習会&目標達成支部・地区への感謝状贈呈式が1月31日開催されました。当日は愛知の斎藤政策委員長と鋤柄代表理事より「同友会3つの目的」と活動の経過等が語られた後、中同協の国吉専務幹事より全国の教訓や今後の法制化の展望が語られました。(なお2月22日現在、14同友会で署名目標を達成しています)
13万の重みを感じて
1987年、売上税反対に向け、消費者と一緒になって署名活動をして以来、15年ぶりに全国で取り組んだ署名活動です。その時の署名数は全国で13万でした。今回は愛知同友会だけで当時の全国の署名を上回る実績をあげられ、背中に13万名の重さを感じています。そのこと1つを取り上げても、同友会自体に大きな力がついて来ていると思います。私たちは地域の経済を守る為、地域の中小企業とその血液である資金を円滑に提供する金融機関との共存・共栄をはかっていこうとしています。運動を進める中で、このことの理解が金融機関側にも大きく理解されつつありますし、もちろん、自治体や政治家の皆さんに対しても同じ想いです。
学習会を重視した愛知
中同協は、99年7月の東京での全国総会で、もっと根本的に安定したあるべき金融システムを作らなければならないと提起しました。本格的に「金融アセスメント法」が打ち出されたのは、翌2000年夏の兵庫での全国総会でした。その実現に向け、具体的に足を踏み出したのが、福岡であり、愛知の活動です。福岡はいち早く一昨年から経営者署名を集め始めて、昨春1万名を集めました。一方愛知では、しっかりと40回の学習会を重ね、地区に会員講師を派遣し、900名の方が学習会に参加しました。この積み上げこそがまさしく13万という署名を集める力になりました。昨年7月の北海道での全国総会では、具体的にアセス署名を展開することを決議、当初は11月末50万という設定でしたが、各同友会が自主的な目標を上げていく中で、百万という大きな目標となりました。組織的に取り組んでいる同友会は37で、現在目標を達成したのは、9つの同友会となっています。
マスコミも動く
署名が集まるにつれて、マスコミも動き始めました。1月20日の朝日新聞では、「天声人語」にアセスのことが掲載されました。このコラムを書かれた方は取材の時、次のようなことを言っていました。
「私はアセスについては前々から注目しており、アメリカのCRA(地域再投資法)もよく知っています。日本では学者が発案したり、民主党が法案を出したということも知っています。しかし、これは政治家や学者の発案によって進んでいくものではありません。中小企業の経営者が本当にこの問題に取り組むかどうかを見ていました。同友会が署名を始め、50万近くになるということで、朝日新聞でも書かなくてはいけないなと思っていました」。この「天声人語」は中学生からお年寄りまで読む、とてもわかりやすい欄です。非常に強い力となりました。発表されてから3日間で、中同協と東京同友会には20本を超える電話の問い合わせが入りました。「同友会はどういう会なのか」、さらに「アセスの署名に協力したい」「ぜひ入会したい」という問い合わせです。毎日新聞では去年暮れに報道が、読売新聞や共同通信の取材もあります。また「街頭署名」が地方の新聞に載り、政治家の皆さんの目にもとまり、いたく感心されたという話しも聞いています。活動の先頭に立たれた皆さんですからよくわかると思いますが、署名こそが最も運動の基礎になる活動なのです。
金融機関との懇談の中で
2番目に金融機関との懇談です。「ニッキン」という金融の専門紙が以前から、同友会のアセスの活動について取り上げています。今は金融機関との懇談の中味に注目しています。信金はペイオフの延期や検査マニュアルのダブル・スタンダード化の提案には非常に共鳴されています。また、「信用金庫法」第1条の理念にアセス法はピッタリあっているとおっしゃる理事長もいます。地銀との懇談会でも、何人かの方は「個人的な意見ですが、このような法律は必要になると思います」と賛同してくれています。
私たちは金融機関とアセスメントの理念を共有しながら進めていかなければなりません。愛知でも金融機関との懇談はこれからだと思いますが、どんどん進めていただきたいと思います。
地方議会での意見書の採択進む
そしてもう1つは、地方議会での決議、国への意見書の採択です。県レベルでは北海道、福岡、沖縄の3つの議会が決議を、その他の地方議会でも、北海道では222中201(3月8日)の議会で決議があがっています。現在、千葉、埼玉、宮城、東京、石川、奈良、岡山等の同友会でも準備中です。愛知県議会をはじめ、すべての市町村で決議をあげるような働きかけを、愛知もお願いしたいと思います。現在中同協では、国会請願に向けての受け皿づくり、つまり国会議員にアセス法の趣旨説明を個別に行っています。法案の中身についての理解は広がりつつありますが、中小企業家の切実な声を地元から伝えることがカギです。この点でも愛知同友会の今後の支援をお願いします。
【文責事務局・内輪】