2003インターンシップまとめ会議
11月6日
「学生実行委員会」を結成
11月6日に国際会議場で開催された「まとめ会議」で2003年度のインターンシップの全日程が終了しました。企業側から17名、大学側から14名、学生代表2名の33名が参加し、率直な感想が出されました。グループ討論では運営面や受入体勢、大学と企業のインターンシップを通じての繋がりなどについての議論が活発に行われました。また、同友会事務局で研修した学生2名から、学生自ら積極的に関わっていく為、「インターンシップ学生実行委員会」の結成が報告されました。それに対し企業や大学側からは、「ぜひ応援したい」という発表もあり、早速実行委員会が動き始めました。来年度のインターンシップは7月29日の「受入企業会議」に始まり、8月23日から2週間の研修に入る予定です。
●会議で報告した皆さん
(1)学生 岡崎智子氏名城大学経営学部 鈴木健太郎氏東邦学園大学経営学部
(2)企業側 松田昌久氏(株)コトジヨー 北川誠治氏(株)キタガワ工芸
(3)大学側 守田峰子氏日本福祉大学助教授 大田良二氏名城大学キャリアセンター
インターンシップまとめ会議から最近の学生気質を実感
通り一遍な指摘が彼らの再出発に(松田昌久氏)
8月25日の初日、キックオフ会合の開会時点で、受付テーブルに残された学生の名札が2つ。なぜか2人とも当社で研修する学生、大学も違う2人が不思議と1社にまとまってしまった。開会直後に1人が着席、もう1人は15分ほど遅刻したが、事件はこれでは終わらなかった。翌日、学生達は研修企業に初めて出勤。現場でも同じ事件が発生してしまう。1人は少し遅刻して出勤したが、もう1人は本人に連絡をとると、まだ寝ていたという。慌てて叩き起こし、「とにかく直ぐに出勤しなさい」と指示したが、彼が出勤してきたのは午後1時過ぎであった。当社では2週間にわたる研修の最終日、他社の見学に学生達を連れて行くことにしている。今年は2人の学生を連れて私が理事長を務める障害者の社会福祉施設の見学に連れ出した。1人は福祉関係の学生だったが、彼はまだ福祉施設の見学をしたこともなかった。そこで彼は異常な関心を示した。障害を持って床に座り込んでいる施設の子を前に、学生の彼が向き合って座り込み、一生懸命話しかけ、介助をしようとしていた。切り捨てただけならば、彼らは今も変わっていなかったろう。1日目も2日目も遅刻したが「とにかく出て来い!」と言って、遅れても出勤させた。「マナーが大切」「遅刻しない」という通り一遍な表現が、通り一遍ではない彼らにとって、大学生活の再出発に繋がったと思う。
●大学側(日福大・守田峰子氏)
松田社長が指摘したのは当校の学生です。遅刻したことや社長に指摘されたことを私に秘密にしたわけでも何でもなく、正直に報告していました。でも中小企業の社長さんたちってなんでそんなに魅力があるんでしょう。あの学生達が、たった2週間で人間的に変わって、大学に戻ってきました。
研修生の指摘に「わが意を得たり」(北川誠治氏)
今回のインターンシップで、初めて学生受入に挑戦しました。受入の目的は「社員教育」でした。しかし、1日目のキックオフに参加して、「こんなことで大丈夫だろうか」と率直に驚きました。基調報告が始まると、私の隣の学生が居眠りを始めました。私と講師を結ぶ視界に入って、コックリ・コックリやりますから大変目障りです。ついに私も切れ、足を蹴っ飛ばし、ビックリして起きた学生に、「顔を洗って来なさい」と指示しました。しかし、わが社にとっては参考になりました。研修をしてくれた2人の学生が2人とも元気の良い学生で、声が大きくて、朝から元気な挨拶をしてくれ、全社員の見本になりました。研修会の最後に、「お世辞なんて必要ないから、率直に、批判的にわが社に意見を言って欲しい。そうでないとインターンシップで貴方達を受入れた意味がないから」と発言を求めました。すると「朝礼など社内で発表する声が小さい」「新しい仕事に取り掛かる時、説明もないまま、いきなり共同の作業に取り掛かる」という職場の問題が指摘されました。
これは「わが意を得たり」です。その後、「インターンシップの学生の指摘」として社内に問題提起しました。これは「社長が言っている」のではなくて、「現場で研修した学生の意見」という訳ですから、社員はみんな良く聞いてくれます。わが社にとっては大変な、初めての挑戦でしたが、とても参考になりました。来年もインターンシップの学生を受け入れて、社内を活性化したいと思っています。
●大学側(日福大・守田峰子氏)
私もあの時、北川社長と同じグループでしたが、そんなことが起こっていたなんて全く知りませんでした。私は私で隣の学生が居眠りでフラフラしていて、必死で支えていました。しかもイビキをかいており、このイビキが半端じゃないんです。音が大きくなって本当に皆さんに迷惑かけたら肘鉄を喰わせて…、この学生を支えていたんです。
【文責事務局・福島】