障害者問題委員会より9月〜11月
精神障害者の就労実習を終えて
就労実習の受入を始めてから七年
障害者委員会が障害者の社会復帰に向けて、「名古屋市精神保健福祉センター」から精神障害者の就労実習を受け入れ始めて7年になります。また知的障害者は愛知県からの要請を受け、今年で3年目を迎えています。この間の実習生はのべ80名、受入企業ものべ78事業所にのぼります。実習期間は精神障害が1週間、知的障害が2週間で、雇用を前提としないことが原則ですが、実習先企業からの要請で社会復帰し、元気に働いている事例も生まれています。今年度は9月から11月にかけて、委員の企業だけでなく会員の皆さんに呼び掛け、精神障害者は名古屋市内を中心としてのべ十2名、知的障害者は三河と尾張で4名の実習生を各社で受け入れていただきました。今回の受け入れ企業での考えや課題について、精神障害者を受け入れた(有)メディアトラスト(中村地区会員)の高雄氏に聞きました。
障害者も10人10色できることを生かして(ソフト開発では)
高雄康宏氏(有)メディアトラスト
以前から、「経営者である以上、社会的弱者に対して何かしなければならない」と考えていましたが、ソフト開発の会社としてどのような形で協力できるのか、その方法がわかりませんでした。事務局からの電話で、精神障害者の中には、パソコンに堪能な人もいることを知って、受け入れを決意し今年で2年目になります。事前に名古屋市精神保健福祉センターの方を講師に、精神病の「統合失調症」について、勉強会を全社員で持ち、社員も自然に受け入れに協力してくれました。初めて受け入れた昨年は無口な人だったので、意思疎通が出来たかどうか判断に迷うところもありましたが、今年はこちらも慣れましたし、社交的な性格の人だったので、何の問題もありませんでした。具体的にはパソコンへの入力作業をやって頂きましたが、本人が望めば長期の実習も可能と感じました。こんな形で地域の人たちへの貢献ができるということを実感しています。
※今年の知的障害者の実習については次号で報告します。
●今年の受入企業
(1)(株)丹羽商事(一般クリーニング)
(2)(株)羽根田商会(機械工具等商社)
(3)(有)進工舎(鉄鋼業)
(4)今村工業(株)(3Dデータによるキャラクター制作)
(5)(福)紫水会〈オーネスト鳴海〉(老人ホーム)
(6)(福)ゆたか福祉会(パンづくり)