広報部2月27日
事務局は会員のパートナー〜同友会運動の主体者として〜
福島敏司氏愛知同友会・理事(事務局長)
福島事務局長は1975年に入局。28年間にわたる同友会の歴史と事務局の活動改善を語った。90分間の熱弁、大量の事前資料と原稿が準備され、「これを語るまでは終わらないぞ」との勢いであった。福島事務局長の同友会にかける想いが感じられた。
飛躍する愛知同友会
まず、過去を振り返って今の同友会を整理してみます。私が入局した時、会員数は500名前後でした。その時、菊水化学工業の遠山社長(当時)がリーダーシップを発揮していて、3年で1000名に持っていきました。現在は尾張が600名、三河が500名で当時と同じ規模であり、支部では当時のような、役員のリーダーシップが必要な時期だと思います。しかしその後、1978年から5年間は1100名を前後しました。その時期に事務所移転や共同求人がスタートし、その後の飛躍となりました。現在の名古屋支部が1400名と、ちょうどその規模にあたり、活動の改善に取り組んでいます。愛知全体では、ここ8年間2200名、300名を前後していましたが、あと少しで、2500名を達成できるまでになりました。ここ数年、何を改善してきたかをお話します。大きく4つに大別します。
「99同友会ビジョン」
1つ目は、「99同友会ビジョン」の策定で、かつてなく浸透しました。これは94年のサードイタリア視察、97年の東京大田の視察を受けて、「自立型企業」の必要性と「地域と共に」の大切さを学んだ成果です。具体的には、自立型企業づくりをめざし、エントロピー豊明、三河金属部会、瀬戸地域新生研など、多くの研究会が発足しました。また、地域と共に歩むため、行政区との対応がしやすいようにと支部・地区の編成替えが2000年4月に行なわれました。02年にはEUを視察し、「中小企業憲章」の調査をしました。政策的な働きかけの重要性を学び、試みにある市で、その取り組みを行っているところです。こうしたことが、「金融アセスメント法」制定の運動の中で、署名13万、県下39の自治体での意見書採択につながっているのです。
「組織の改善」
2つ目は「組織の改善」です。94年「入会資格の申し合わせ」を見直しました。簡単そうですが奥が深く、当時の副代表理事五名が3年間議論して提案しました。大切な点としては、入会にまつわる問題があれば、総務会で集団的に検討し、理事会で決定するという組織的な対応がとれるということです。97年常任理事会を廃止し、76名から36名の理事に変更しました。これで理事会は議論ができる「決議・執行機関」に変わり、これによりフォーラム等の分科会は、理事が中心となってつくっていくという動きにつながりました。
「同友会役員研修大学」
3つ目は、2000年「同友会役員研修大学」がスタートしたことで、この4年間で121名の修了生を出しました。ここでは地区や支部の運営を学ぶのではなく、自らの経営指針づくりと経営体験を語ることを目的としました。今期の地区会長の半数が研修大学の修了生です。その結果、地区例会の中味が大きく変わりつつあります。経営体験報告が多くなり、参加費を無料にして学びやすい環境づくりがなされているのです。この成果を生かし、03年には「基礎研修講座」も始まりました。会歴の浅い会員が同友会運動を早く理解して、役員になって活躍していただこうという講座です。
「事務局の改善」
4つ目は2000年秋からの事務局活動の改善です。「自立型企業支援」「日常活動支援」「企画室」の3体制での試行です。迫られたのは、事務局員の個人的力量だのみから脱出し、組織的対応力を強化することでした。「自立型支援」は業界を3分類し、継続的に業界の動向や地域行政にかかわる調査を行い、政策提案づくりに取り組んでいます。「日常活動支援」は、それまでの10人を6人に変え、日常の会合管理を『あいどる』などのIT化や、情報化のシステムで対応し、事務局員は会合の内容づくりで支援します。「企画室」は、今後の同友会に必要となる戦略的な議題を議論する場で、役員や研究者の協力も得ています。
共に成長する事務局員
以上のように、愛知同友会は大きく変化しています。「金融アセス」制定の運動が地元愛知から始まったように、愛知同友会の諸活動は全国的な運動をリードしていると思います。例えば、愛知県や名古屋市への政策要望、インターンシップ、個別金融機関との懇談会、「あいどる」にみる情報化の取り組みなどです。現在の同友会役員は積極的で、同友会の考えを踏まえたすごい文章や提案がどんどん上がってきます。問題は事務局員がどれだけ役員を超えられるかです。事務局員も共に学び、個人の能力を高めると共に、組織的に色々な課題とまっ正面から取り組む姿勢が必要なのです。組織的対応としては先に述べた組織づくりを行い、個々の能力については、この4月から事務局員の「評価制度」を導入します。この制度は事務局活動改善プロジェクトの役員と、試行錯誤を重ねながら作成しました。皆さんの会社でも役に立つシステムだと思います。同友会事務局は経営者の良きパートナーであり、オアシスであり改革者です。また定点観測者でもあります。さらに高い成長目標を持って活動していきたいと思います。
【記広報部・加藤昌之】