第5回新会員オリエンテーション
11月19日
「すべての原因は自分にある」

波多野辰美氏波多野建設(株)社長(三河支部副支部長)
右肩上がりの創業期
私は市内の建設会社に10年勤め、今から25年前に独立しました。独立しても頼るところがありませんでしたが、近所に県外出身の方が集まっており、そこから仕事をいただきながら、スタートしました。その後は、お客様からも紹介していただき、順調に仕事が入るようになりました。現場見学会も、碧南では当社がいちばんに始めました。「住まいの110番」という相談仕事で関係のできたお客様からは、増改築の仕事を次々にいただきました。売上も毎年倍々で伸びていき、株式会社を設立しました。私が34歳の時です。打つ手は当たるし、お客様は増え続けるし、何か自分がすごい人間のように思え、今の社屋を建てた時には、有頂天になっていました。右肩上がりの時は誰しも通る道だと思いますが、その時の私は気づいていませんでした。
私を救った一言
その頃、親しい先輩から同友会を勧められ、よく分からないまま入会しました。創業から10年で本社ビルを建てた私はチヤホヤされました。また、大工の頃は愛称で呼ばれていたのが、「社長」と呼ばれるようになり、偉くなったような気になっていました。学ぶ姿勢も中途半端で、せっかくの例会での話も、ほとんど聞き流していました。そんなふうでしたから、仕事をすればするほど赤字が出るようになりました。営業社員には売上競争をさせていたので、人間関係が崩れ、社内はバラバラ、私自身も株で大失敗したりと、天狗になっていた私は、自分を見失ってしまいました。そんな時に同友会の支部例会に参加し、「『すべての原因は自分にある』と考えることのできる人間は伸びる」という話を聞き、その言葉で、私は目覚めました。大工が社長になり、同友会にも入ったのに、何も勉強していなかったことに気づいたのです。
同友会がわかった!
今から5年前に碧南・高浜地区ができ、3年目に私は地区会長を引き受けました。前会長は私と同級生で、地区会長をやっている2年の間にどんどん変わっていくのがわかりました。自分もどのくらいできるかやってみたかったのです。地区会長となり、入会から10年経って、初めて同友会の良さがわかりました。地区会長になると、地区以外にも出て行く機会が増え、そこで初めてわかったこともたくさんありました。ところが、せっかく入会しても辞められる方がいます。10年も学んで辞められる方は仕方ないかもしれませんが、3年以内で辞められる方は気の毒に思います。先月の10月例会では、四日市の経営者の方に報告をお願いし、四日市まで何回も打ち合わせに行きました。その熱意が伝わり、報告者の方からは、「今日の参加者だと言ってくれたら、いつでも会いますよ」と言っていただきました。例会に出席するかしないかで、これだけの差がついてしまいます。
学んで、自社で実践
同友会は参加するだけではなく、参加したら必ず自社と置きかえて考え、自社でできることは次の日から、とり入れてください。壁を乗り越えた人にしか次の壁は見えません。一つひとつ壁を乗り越えていくうちに、気がつけば、ずいぶんと高い壁を越えてきたなというのが同友会です。今、経営者にとっていちばん価値ある投資は「勉強」だと思います。今日よりは明日、明日より将来のために、貴重な時間を割いて勉強することです。同友会は、誰でも紹介してもらえる会ではなく、紹介する会員も、相手を選んでいるはずです。また、現在の愛知同友会では県内の事業所の1.2%の組織率ですから、皆さんは1.2%の選ばれた経営者です。同友会に入会したんですから、これはチャンスです。あなたは必然的に選ばれたのですから、これからも一緒に勉強していきましょう。そして、夢をともにかなえあいましょう。
【文責事務局井上一馬】