「IT経営百選」に会員4社が入選
経済産業省は、中小企業のIT化を促進する目的で「IT経営応援隊(中小企業の経営改革をITの活用で応援する委員会)」を立ち上げ、経営戦略やITの活用実態などが優れ、中小企業経営者の目標となり得るような事例を収集し、「IT経営百選」を選んでいます。「ビジネス戦略・経営改革」の視点(大手には真似できないビジネスモデル、経営の自立化など)と、「IT高度活用」(業務プロセスの高度化・統合化、人材・ノウハウの高度活用、情報セキュリティ対策など)という2つの視点で選考が行われています。今年度、愛知同友会の会員企業4社(以下)が「奨励賞」を受賞されました。
(1)伊藤智啓氏(株)蒲郡製作所(豊川地区)
(2)春日井秀明氏(株)ベル春日井(名東地区)
(3)佐藤祐一氏(株)羽根田商会(中区南地区)
(4)田島淑雄氏(株)日新(北地区)
伊藤氏と田島氏の2人に今回の受賞について語っていただきました。
開発・提案型への自社変革を進める
伊藤智啓氏(株)蒲郡製作所(精密機械器具部品製造)
当社は、OA機器をはじめ、光学機器、半導体機器等、いろいろな分野の高精度部品加工業を営んでいます。この度、奨励賞をいただきましたが、評価いただいたのは次の二点だと考えています。1つ目は、インターネットを活用した企業間取引きです。昨年3月期決算で、ホームページをきっかけに取引を始めた新規顧客の売上高が2500万円程になりました。インターネットからの仕事の多くは高付加価値で利益アップに直接結びついています。2つ目は、「高精度精密部品加工で困った時は、蒲郡製作所へ」というブランドイメージが構築されつつあることです。当社のホームページは、グーグルで「精密部品加工」で検索すると、該当する25万ページ中トップページ(10位以内)で表示されます。この点をフルに活用し、ホームページでの営業も、従来の「なんでもできる何でも屋」という売り方ではなく、自社の強みを前面に出したページづくりをすることで競争力をアップし、より付加価値の高い仕事を集める仕組みをつくっています。さらに現在、自社の中・長期経営計画の立案中であり、技術力とお客様への提案力を強化し、開発・提案型企業への変革も進めています。今回の受賞に満足することなく、21世紀型企業の理想像に少しでも近づけるよう、社内革新を進めていく所存です。
●URL http://www.gamasei.co.jp/
自社をPRするこれは社長の役目
田島淑雄氏(株)日新(ギフト大卸)
今回奨励賞を頂きましたが、名古屋支部の「IT戦略経営研究会」でいろいろな情報を頂いたお陰です。弊社のポイントは、オリジナル開発した受発注システムとネット通販(スリーサイト)の受注がファイルメーカーというデーターベースソフトで一元管理できる点です。特にネット通販では、1日の注文件数が50件を超えると、人的処理では必ず発送ミス等が起こります。そこで弊社では、お客様へのアナログ対応を加味し、業務時間を短縮するため、日々ファイルメーカーを自社でカスタマイズしています。また、本業の卸では問い合わせの多い商品の「名入れ」はエクセルを活用して、瞬時にご回答できるように活用しています。今回の百選は、無料でマスコミ等に宣伝していただけるということでチャレンジしました。国の制度を上手に活用して自社をPRすることは社長の役目ですね。
●URL http://www.nisshin-web.co.jp/