第9回新会員オリエンテーション
4月13日
叩けば叩いただけ響く鐘〜同友会は「自分を磨く」会〜
松原正治氏(株)ユニオンサービス専務(名古屋支部副支部長)
兄弟で仲良く
ユニオンサービスは、私が小学校1年生のときに、松原商店として父親が創業しました。最初はチリ紙交換の仕事から始めたのですが、現在ではメインの仕事を大手スーパーから頂いており、県下八店舗の一般廃棄物を回収しています。会社では兄が社長で、私が専務です。兄弟が仲違いして上手くいかなくなった会社もあるようですが、当社は兄弟の仲が良く、周囲から不思議がられることもあります。私にすれば、兄弟の仲が良いのは当たり前のことで、私は兄を尊敬しておりますし、兄も私の意見を尊重してくれて、お互いがお互いを認め合っているという関係の中で、会社はうまくいっていると思います。99年に高校時代の先輩から同友会に誘われました。一度は断りましたが、再度の誘いがあり、オブザーバーとして参加しました。その時の会合は異様な熱気で、参加者の目もギラギラしているように見え、「この会は何かおかしいんじゃないか」と感じました。しかし、同時に自分の中で「何か変わりたい」という気持ちがあり、2回目に参加した時には面白さのようなものを感じ、3回目には自分のためになることを確信して入会しました。
達成感で男泣き
翌年の1月、例会の担当になりました。経験豊富な役員を新人の私がまとめるのです。その頃は人に頭を下げることが嫌いな性格でしたが、その私がお願いメールを打っているのを見て、妻が心配してくれたことを覚えています。例会終了後には、達成感で男泣きしてしましました。それ程の感動を得たのです。自分ひとりの力には限界がありますが、みんなの力を集中すると大きな力になることを肌で学びました。会社経営も同じです。社長一人ですべてを掌握するには限界があります。社員や自社に関わる人たちの力を借りて1つのものを創り上げていけば、もっともっと素晴らしいものができるのです。それからは同友会への参加がより積極的になりました。私の仕事に対する情熱や姿勢が前向きに変わってきたのを見て、社長も同友会を理解してくれるようになりました。また、1泊2日の全国会合への参加費用も会社の経費として出してくれるようになりました。今、会社では同友会と会社経営が切り離せない状況になっています。
「自分を磨く」
同友会は「自分を磨く」会だと思います。同業者の会合では腹を割って話ができず、悩みは出せても解決策が出される前に終わってしまうことがよくあります。同友会は異業種交流会ですから、景気の良い業種も悪い業種もあります。「なぜそうなのか」「業界全体が良いからなのか」「自分自身が悪いからなのか」、そういうことを同友会を活用して勉強していただきたいと思います。例会に参加することはもちろんですが、役員を頼まれたらぜひ引き受けてください。「役員をやると得をするのか」と尋ねられますが、役員をやるということは会員から見られる立場になるということです。自分自身が役員として何をすべきか自然に考えることになります。同友会は経営者の集まりですから、それぞれがトップとして企業経営している人たちが会員です。そういう人たちをまとめるのが役員です。何が必要で何が足りないのかを、他の会員からも意見をもらいながら学び、それを自分の肥やしにしていきたいと考えています。
信頼関係がビジネスに
ビジネス目的で同友会に入る方もいますが、そういう人は続きません。経営者の資質を学ぶのが同友会ですから、ビジネス目的のお付き合いはできないのです。しかし同友会できちんと学んでいる方には黙っていても仕事がきます。実際、私にもそういう経験がありました。「あの人の会社なら頼んでもいいだろう」という信頼関係ができると、ビジネスも広がっていきます。同友会は叩けば叩いただけ響く鐘のようなものですから、ぜひ大きく叩いてください。それは必ず自分のためになりますし、会社を高めるためにもなります。当社は今期、過去最高の利益を出しております。同友会で学んだことすべてが会社に生きているとは言えません。しかし、経営者としての資質を磨けたことが、今の業績につながっていることは確信しています。私自身もまだまだ発展途上の段階ですし、まだまだ磨かなければならないところもたくさんあります。今日お集まりの皆様と同友会を通して、一緒に学ぶことができれば幸いです。
【文責事務局・井上一馬】