どうゆうき

▼私が今の会社を創業してこの9月で丸20年が経過した。「光陰矢のごとし」とはよく言われるが、時が経つのは本当に早いものだ。創立当初の私は無我夢中で、ただ前進あるのみ。がむしゃらに突き進み、後ろのことをまったく顧みなかった。社員を叱咤激励し、私自身もその瞬間、瞬間が必死であり、一日一日がものすごく長く感じられた
▼「いつも後ろ向きだと良いことも悪くなる。だからと言っていつも前向きだと、気づかなければいけないことに、気づけないかもしれない。時折自分の位置を確認する事は重要である」。当時の私は経営者ではなかった事がよく分かる。なにせ当時の我社には経営理念の理の字すらなかったし、将来のあるべき姿なども、まったく明確になっていなかった
▼「ゴルフがやれる」という不純な動機からの入会ではあったが、ある役員の会社で経営指針書を見せられ愕然とした。それから仲間にも助けられながら必死で経営指針書を作った事が、昨日のように思い出される。それが今年、13回目の指針発表会を迎えることになった。「社長が変われば、会社が変わる」とよく言われるが、昔の私を知る人は今の私の激変ぶりに随分驚く
▼2年前の7月、福岡で行われた全国総会のスローガン『小さな変革を大きなうねりに』という言葉に大変感動した。我々中小企業家が自社をよくするという変革を全国に拡げ、それを大きなうねりとして、日本全体を良くすると言う事だ。その延長線上に同友会の「中小企業憲章」の制定運動、そして今の大学習運動があることを確認しておきたい。

副代表理事 新井敏男