どうゆうき

▼金沢といえば、水と緑豊かな歴史のまち、北陸の「小京都」とも言われる。その金沢の駅に降り立って驚く。巨大なガラス張りのドームと木造で高さ20メートルを超える鼓門が出迎えてくれる。近代的な感性に伝統の風味が加わったような心地良さを感じた
▼その金沢で、7月13・14日と第38回中同協総会が行われた。会場は音楽堂コンサートホール。荘厳なパイプオルガンを有するコンサートホールではあるが、遠来の会員にとって、駅からわずか徒歩数分にある。石川同友会の皆さんからの大きな拍手での出迎は、旅の疲れを忘れさせる。観光都市金沢のおもてなしの心が伝わる
▼そうした街に興味があり、「伝統と創造」をテーマに金沢市長が報告する第11分科会に参加した。金沢420年の歴史は「芸」「工芸」「食」の三つの特徴があり、お殿様と庶民が一体となって地域経済を支えてきた歴史だと言う。今も市民と行政が積極的に意見交換を行い、まちづくりを行っている。コンセプトは「伝統と創造イコールまちづくり・文化・産業」だと山出・金沢市長は語る。「街は市民の手になる芸術品」「市民と協働で小さくとも輝く世界都市を創る」と宣言された
▼「中小企業憲章」の来るべき成果は、この金沢420年の歴史にみることができる。行政と企業が「協働」で地域を支え合う関係だ。グループ討論で金沢の会員が、「金沢は豊かだと思うが、税金は周辺地域より少し高い」「市民がやるべき事が少し多い」とも発言した。これが金沢「協働」の精神か。「中小企業憲章」制定にも通じる精神ではないかと思った。

広報部長 加藤昌之