尾張支部増強講演会
9月29日
「同友会で学んだ社員共育〜ワンマン社長が変わった」
加藤 輝美氏 (株)ケイ・クリエイト社長(共育委員長)
月に1度の会議で
私は脱サラ後、40歳までは寝る間も惜しんで働いてきました。何とか売上も伸び、社員も1人2人と増えていきましたが、当時の私はとんでもない経営者でした。月に1度、最後は私の意見ですべてを決定してしまう会議を行いました。社員からの意見は出なくなります。すると今度は「意見を出せ」と社員を叱るようになりました。今、振り返るとぞっとしますが、当時の私でも自社を「よい会社」にしたいという想いはあったのです。
自ら志願して同友会に入会
ある日、25歳の社員が退職届を胸にしまい、「社長はいつも偉そうに指摘してくるが、私たちには理解できない。私たち若い社員にも分かるように説明してください」と言ってきました。この社員の一言で私のワンマン経営では、決して会社は良い方向には進まないことに気付きました。そんな悩みを抱えている時、営業先で勧められた同友会を思い出し、志願して入会しました。同友会では様々な場面で数多くの学びがありましたが、全国会合のグループ討論の場で言われた、「加藤さん、あんたの会社大丈夫か」という一言が特に強烈でした。その一言がきっかけで社員と共に育つ会社づくりがスタートしました。初めて会った会員から頂いた手厳しい指摘でしたが、今思うと、これが同友会の良さなんだと思います。
「社員の人生を預っている」
会社経営では、社員に任せることを大切にしています。任せられた社員には責任感が生まれますし、自主性を発揮して生きがいや働きがいを感じてくれます。また、新卒採用を始めてからは「社員の人生を預っている」ということを特に意識するようになりました。親は誰でも、子供の成長を心から願っていますし、そんな人たちを社員として預かっています。「その人の人生をどれだけ輝いたものにしてあげられるか」、それが私たち経営者の役割なのです。
「経営とは何か」を自問自答する
私は、経営指針を実践するには経理公開が必要不可欠だと思います。会社の財務状況も分からない社員に計画を立てさせるのは無理ですし、危機感も生まれません。また当社では名前の呼び捨てやニックネームは禁止していますし、「何のために働くのか」という投げかけを常に社員に行っています。「何の為に経営しているのか」という自問自答を繰り返し、そして実践する、これが同友会の学びです。皆さんも同友会で共に学び、社員が安心して一戸建てを購入できるような企業づくりをしていきましょう。
【文責 事務局・輿石】
●講演会当日は、会外から5名のゲストが参加し、二名が入会を申し込みました。