第7期 役員研修大学修了式
11月9日
赤石 義博 氏 中小企業家同友会全国協議会会長
8カ月間にわたる研修大学も修了式を迎えました。今期の修了生は、受講生67名中36名という結果となりました。修了式には、修了生・報告者・ゲストなど35名が参加し、記念式典として中同協の赤石会長より基調報告が行われました。
憲章はすべての人間が自分を養える仕組み
赤石氏はまず、世界全体で自然が再生できる量の2割を毎年オーバーして消費し続けている現状を紹介しました。このままでは、人類は地球上の資源を使い尽くし、生命を持続することが困難な世界を作ってしまうといいます。このような警鐘を具体的な数値とユーモアを織り交ぜ鳴らし、成長と効率、そして経済活動の本質について問題提起しました。
また、経済の発展が失業者を生み出し、格差を広げていること。そのような状況のなかで、すべての人間が自分を養える仕組みを提言するのが中小企業憲章であることを説明しました。
人間尊重の本質
経営者の責任については、社員をどんな環境でも通用する人間に育てあげる事が大切であり、そうでなければ何が人間尊重かと強調しました。ある社員が定年退職を迎えた時、会社以外の社会では何もできず、十分なお金もなければ、今後どのような人生をおくっていくのかと指摘しました。忙しいから勉強する暇がないという経営者には、「舟を漕ぐのが忙しくて、行き先を決める暇がないのと同じ」と柔らかく一喝。作業現場でも、パソコンに向かっていても、どれだけ効率よく仕事をしているかわからない。お互いに人間性を尊重しあい、個人が自ら考え行動する。そのような経営こそ、これから求められているのではないかと参加者にエールを送りました。懇親会では、修了生・卒業生・研修大学報告者が集まりこれまでの学びを振り返りました。参加者からは、「仲間の励ましで修了できた」「同友会は人間の本質を問うところ」「力でねじ伏せていた社員への対応が変わった」「自分のお墓参りに来てくれる人を作る」など様々な感想や励ましの言葉が交流され、あらたなスタートを決意するものとなりました。