自動車関連産業研究会(愛知同友会)
北海道の中小製造業と交流
12月11日
北海道副知事や北銀頭取が参加
現在、北海道では、自動車メーカーの一次サプライヤーの進出や、関連企業の工場誘致が道庁を挙げて進められています。その中で、今後、自動車業界への参入をめざす北海道の中小製造業20社と、愛知同友会の自動車関連産業研究会(代表世話人/鳥越豊氏・(株)鳥越樹脂工業)のメンバー(10社)で「モノづくり講演会・交流会(主催・北海道銀行)」が開催され、64名が参加しました。北海道からの参加者は、12月10日から12日にかけて、愛知県の中堅製造業3社と一緒に、デンソー技研センター、トヨタ産業技術記念館などを見学しました。講演会・交流会には、北海道副知事の近藤光雄氏や北海道銀行頭取、北海道立工業試験場、機械工業会、北海道同友会の事務局員なども参加、愛知県内の自動車関連企業への関心の高さが伺われました。
勝ち進む経営とは
冒頭、加藤明彦氏(エイベックス(株)/愛知同友会副代表理事)より、「自立した社員・社風づくりで『勝ち進む経営』」と題した報告が行われました。エイベックスは、生き残る経営ではなく、自社の強み、弱みを分析し、勝ち進む経営(国内でも、海外進出企業と勝負できる体制)を標榜していること。さらにオートマチック・トランスミッションの部品に特化し、技能承継と戦略的な情報収集によって売上げ確保に繋げていく経営を報告しました。
中小企業は人材で勝負
加えて、同友会らしい企業づくりの精神も紹介しました。人材育成については、人間尊重の経営(労使見解)をベースにし、社員の潜在能力を仕事を通じて発揮してもらうことや、中小企業における戦略的な新卒採用こそ会社発展の原動力であることを強調しました。「経営資源は人・モノ・金というが対等ではない。人の育成が弱かったときは、結局モノも金もついてこなかった。社長になって、23年、結局は中小企業では人材育成が中心にならないと企業は発展しない」と加藤氏はまとめられました。
愛知と北海道さらに交流を
その後は自動車関連産業研究会メンバーが中心となりグループ討論が行われました。これから自動車業界に参入をめざす北海道の企業からは、自動車大県の愛知の現状や、各社の技術、コスト低減への取り組みなど、具体的な経営のあり方について意見交換が行なわれました。また、業界の厳しさと、その中で会社を発展させていく醍醐味も交流されました。今後も継続的に、自動車関連産業研究会メンバーと北海道の中小製造業の交流を深め、国内でのモノづくりと、技術の承継で日本経済の発展を進めていくことを確認しました。
※自動車関連産業研究会
自動車関連の部品サプライヤー企業が中心となり、現在17名のメンバーが在籍。大学の研究者も交えて、各社の経営戦略などを交流する研究会です。