名古屋支部第1回支部例会&経営者の集い
7月9日
ひとつ上の経営を目指そう
加藤明彦氏エイベックス(株)(愛知同友会・副代表理事)
勝ち進む経営
名古屋支部では三位一体経営を学ぶ支部例会を開催しました。内容は経営戦略・人材育成・経営姿勢の3回シリーズを予定し、第1回は経営戦略の具体化を学びました。エイベックスは自動車のAT(オートマチックトランスミッション)油圧制御バルブを年間6000万個製造し世界シェア8%の実績を持ちます。しかし、かつて営んでいたミシンや8ミリ映写機の部品製造が技術革新でゼロになった経験から、加藤氏は「会社はつぶれるもの」と常に危機感をもって環境変化をつかむことの大切さを強調しています。その上で経営姿勢として経営環境や競合企業など外部要因のせいにせず、自社の強み、弱みを分析し、あるべき姿、成功要因を見出す「勝ち進む経営」を標榜することが大切だと話されました。
専門性を磨く
具体的には本業重視による専門性を追求することにその試みがあります。エイベックスでは切削、研削加工の「何でも屋」では大きな市場で価格競争に巻き込まれるため、AT油圧バルブに特化することで市場を絞り込み大きな占有率をもつ「市場の細分化」を図りました。また世界規模では市場の縮小化が進むマニュアルトランスミッションの部品に着目。市場縮小といえども自社にとっては大きな市場であるこの部品に取り組み、競合メーカーが少なくなる中、優位性を確立しています。さらに自社のあるべき姿を「加工屋」ではなく「鍛冶屋の世界を築く」と位置づけます。機械のメンテナンスや周辺機器の改善、刃具の製作や簡単な設備の製作など、面倒でも様々なノウハウや技術を自社に蓄積することで、知識を知恵に変える「応用技術力」を高めることで他社との差別化を図ってきました。討論では各社の強みづくりや今後の経営戦略について活発な討論が行われました。また当日は経営者の集いとしても開催。当日入会を表明するゲストの方も見え、盛会のうちに終了しました。