役員研修大学特別講座
9月9日
「輝く未来の社会づくり」
赤石 義博氏(中同協相談役幹事)
経営者のあるべき姿勢とは
役員研修大学第10講座は特別講座として赤石義博氏を報告者に招いて開催しました。経営者のあるべき姿勢や未来へ向けての課題を自身の経営体験や同友会での学びを交えながら語られました。赤石氏は1959年に東亜通信工業(株)に総務課長として入社、1962年に東京同友会に入会します。その後1965年に月商の約2倍の不渡り被害を受けた時から実質トップとして経営にあたります。そのときに、大手に身売りするかこのまま存続するか社員全員に意見を聞いたところ、全員がこのまま存続する道を選んだそうです。
この件がきっかけとなって人事考課をいっさいしない「自主的自己管理」という考え方が生まれました。1人1人が自主的に働くことで再建は成功し、5年で賃金は倍増します。この経験を通して経営者としての姿勢が確立したといいます。
人間尊重は甘いものではない
労使見解に人間尊重経営とありますが、本当の意味での人間尊重は甘いものではありません。「本当に自分は社会のためになった」と実感できる力を社員につけさせることが経営者の責務であるということ。そして、きちんと生活できる賃金を確保し、あてにしあてにされるような生き様が大事とのことでした。また、これからの経営者は環境問題も考えなければなりません。20世紀の間に石油消費はそれまでの20倍に膨らんだそうです。人類が確実に繁栄し存続するためにどのような日常をつくり上げていくのかを考えること。幸せの見える社会づくりをしていくこと。これが真の経世家であり、これからの経営者が目指していかなければならない姿であると熱心に語られました。あまりに壮大な内容に参加者は多少戸惑いながらも胸を打たれ、経営者としての自分を見つめ直すきっかけになりました。